カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
もう何年も前に誕生日のお祝いにと、長女が(当時は学生でしたから泣け出しの小遣いの中から)買ってくれた少々大ぶりの「ぐい飲み」。
家内曰く「大甘」な父親としては、何年も大事に大事に使ってきたつもりです。
“飲兵衛”(とタバコ)を心配する娘達ですので、本当は酒飲みに加担するようなグッズは「心ならず」なのでしょうが、休肝日は別として、ビールとそのぐい飲み一杯分の冷酒が自宅での晩酌の適量。
先日、いつものようにぐい飲み一杯の冷酒を飲んだ後、濯いで流しに入れようとした時に、どうしたことか手を滑らせて落としてしまいました。途中、咄嗟に(元バレー部らしく)足の甲(反則ですが)で受け止めようとしたのですが、レシーブならず結局床に落として割れてしまいました。
「エーッ!どうしよう?せっかく買ってもらったのに・・・。」
しかし、腹水盆に帰らず。形あるものいつかは壊れる・・・。
自分の不注意でもあり、諦めざるを得ませんでした。
暫くたったある日の夜遅く。
漸く仕事が終わったのか、上の娘から家内に電話があったようです。
母娘の会話で「ふ~ん、そうなの。でもさぁ・・・云々」と、父親の入る隙間も無く・・・。
すると、家内が「・・・あっ、だったら“ぐい飲み”買ってあげてよ。大事に使っていたのを、“私が”この前洗う時に落として割っちゃったものだから。“すっごく”落ち込んでいるから、替わりのを買って贈ってあげてよ!」
そう言えば、私の誕生日が近づいていました。どうやら父親への誕生日のプレゼントの相談だったようです。
勿論、割ったのは家内ではなく、自分なのに・・・。かたじけない。
あっ、いけない。また涙腺が緩んできた・・・。ウルウル、グスン。
皆に深謝でありました。
そして、次女のところに家内が家事手伝い?に週末上京し不在の日曜日の朝。今度は次女から、午前中は家にいるようにというメールがあり、「菊姫」の吟醸が宅配便で届きました。この前出張で夜会った時は「お金無くてゴメンね」と言っていたのに・・・。しかも、酒も飲めない彼女です。ネットか何かでどれがいいか調べたのでしょうか。バカだなぁ、高いのに。
そして、夕刻高速バスで戻った家内が、上の娘からのぐい飲みを預かってきてくれました。それも、桐の小箱に入った、少し青味がかった白い釉薬の「萩焼」のぐい飲みです。就職したとは言え、自身の将来の夢に向かってお金を貯めている彼女です。バカだなぁ、高いのに。
きっと二人で相談し、それぞれ分担してくれたのでしょう。
その夜、娘達と家内に感謝しつつ、冷酒(菊姫は勿体無いので何かの時まで大切に保管)を一杯だけ、そのぐい飲みでいただきました。
何だかいつもよりちょっぴり“しょっぱかった”かもしれませんが、でも「う~ん、旨いなぁ・・・。」