カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 今では、松本で“ぼんぼん”と言うと、8月上旬(今年は今日1日)の夕刻に行われる「松本ぼんぼん」(今年は何と305連とか。でも、これは見るのではなく参加するお祭りです。見物しても何もオモロクありません)になってしまいますが、本来の昔からの“ぼんぼん”は、小さな女の子だけのお祭りで「松本ぼんぼん」とは全くの別物。

 地域文化の伝承か、今では新興住宅街の子供会等でも、この“ぼんぼん”と“青山様”がけっこう実施されているようです。我が町内会も3日だとか(後述の歌詞からして、本来は旧暦のお盆の中日ではないかと思います)。

 “ぼんぼん”は、小学生の女の子達が浴衣姿で(昔は)ティッシュなどの紙で作った牡丹のような花飾りを髪に付けて、提灯をかざして“ぼんぼん”の歌を歌いながら静々と夕刻の町内を練り歩きます。
その“ぼんぼん”の歌は、ラドミのまさに短音階で、(昔合唱をやっていた)昔取った杵柄としての記憶では・・・

 ♪ラドミレドレレレレドラドレ ミミレミレドレドレミドラレド
 (このブログ上に音符で掲載する方法が分からず)

と単調ながら哀愁を帯びた音階で、

 『盆々とても今日明日ばかり、あさってはお山の・・・?』

という歌詞だったような気がします。何しろ、小学生時代の記憶ゆえ、全く不確かですが。
 この“ぼんぼん”と“青山様”は、本来城下町の市中で江戸時代から行われていたものだとか。従って、私の頃は、農村部でも“ぼんぼん”はありましたが、男の子の“青山様”(青いハッピで子供御輿を担いで練り歩きます)は市中だけで農村部には無く、男の子は手持ち無沙汰で、“ぼんぼん”の行列に悪戯でネズミ花火を投げて羨ましさの「憂さ晴らし」をするくらいしか出来ませんでした。

 今では、“ぼんぼん”の歌も忘れられ、録音されたテープを流しながら練り歩くのだとか。勿体無いですね。きっと、街中のおばあちゃんなら覚えている筈。しかも単純な音階なので、今やほとんどがピアノや才能教育でバイオリンをやっているような子供達ですから、教えてあげればものの10分足らずで覚えてしまうでしょうに・・・。

 行く夏を、或いは行く(逝く?)人を惜しむのか、「松本ぼんぼん」とは似ても似つかぬ哀調で、何とも風情ある城下町の本来の“ぼんぼん”が、8月上旬からお盆までの間、「松本ぼんぼん」の一夜の喧噪とは関係なく、静かに城下町に流れていきます。

【追記】
昨日配布された市の広報「まつもと」によれば、8日(土)の夕方6時から8時まで、中央公民館主催(問い合わせ0263-32-1132)で地元の子供たちが「ぼんぼん」と「青山様」をおこなうそうです。公民館をスタートし、本町、中町、縄手と、ちゃんと「歌いながら」練り歩くそうです。広報にも「城下町松本の夏の風情を見に来てください。」とありました。もし、当日信州松本に来られる予定のある方は、是非見に行かかれたら如何でしょうか。