カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 母屋(両親宅)の玄関に、石器や矢じり(石鏃)、土器片が飾ってあります。小学生時代に畑などで拾い集めたものです。

 長野県は、全国でも縄文時代の遺跡の多い所で、特に和田峠が本州でも有数の黒曜石の産地(注記)であったこともあり、当時は温暖で食べ物も豊富だったであろう八ヶ岳山麓周辺は特に「縄文王国」と呼ばれるほどで、尖石や井戸尻など全国的にも有名な縄文時代の遺跡が点在しています。
 ここ、松本でも古代の遺跡の存在が数多く報告されており、特に水源が無い高台のため稲作に適さぬ岡田地区は、弥生時代の遺跡や古墳はありませんが、逆に縄文時代の遺跡が幾つも点在しています。
我が家近くでも、「狐塚遺跡」と呼ばれる縄文早期・前期の遺跡の存在が確認されています。今ではすっかり宅地化され、遺跡は殆どが家の下に隠れてしまいましたが、私が小学生の頃はまだ畑が多く、耕された我家の畑を探すと土器の欠けらや矢じりなどを見つけることが出来ました。


 戦前に群馬県で行商しながら当時日本には無いと言われた旧石器時代の岩宿遺跡を発見した相澤忠洋や、少年時代から興味を持って諏訪の在野から縄文農耕論を唱え井戸尻を発見した藤森栄一などの考古学者に憧れて、子供心に古代に夢を馳せ、“考古少年”として探し回った子供時代。
 写真に写っているのは、その“戦利品”の一部です(・・・と、残りはどこに仕舞ったのか覚えが無く行方不明ですが)。

 確か、子供達が小学生の時に、学校の授業でも使っていただいたことがありましたが、ここで次女から、授業(国際文化とやら)での英語のプレゼンの題材にしたいので送って欲しいとのご指示。まさか大学でも使っていただけるとは思いませんでした。

 少年時代の趣味が何十年も経て、少しは役に立ったのかもしれません。喜々として(家内曰く)次女に送る荷作りをしながら、心は考古少年に戻っていました。

【注記】
JR茅野駅の下り線ホームに、和田峠産出の黒曜石の大きな原石が展示されています。高さ1メートルほどもあるでしょうか、これほどのサイズの原石は珍しいそうです。蓼科観光などで茅野駅に降りられた際にご確認ください。

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