カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 先々週と先週、久し振りに週末に雨が降らなかったので、朝から汗だくになってリンゴ園とブドウ園の草刈を終わらせた後、芝生の草取り、剥げた所の補修をして、目土として川砂を入れてから、芝刈りを二週連続で行いました。
 芝は刈ると密度が濃くなるのと、余り伸びる前に刈った方が作業時間も短くて済みます(2回目は僅か30分で終了しました)。
      
 庭のリノベーション(第70話を参照ください)に併せて、周りに建物があって素人では出来ない芝焼きをしていただいたためか、今年の芝生は昨年とは見違えるほど。12年前に植えた初期のように芝芽がびっしりと密集していて、刈り込むと緑の絨毯のようになって何とも綺麗です。

   (*写真の飛び石は冬の間ストーブ用の薪を運ぶためのものです)
 この芝生ガーデンは、『子供の頃TVで見たアメリカのホームドラマ(注記)の影響か、自宅の庭に芝生を植えたがる(=憧れる)日本人が多い・・・云々』と昔何かで読んだ記憶も一切気にせず、自身の作庭の際も真っ先に決めた部分。
むしろ、何となく小坂明子の『あなた』の歌詞にある「小さな家」のイメージでしょうか・・・?(直接歌詞に「芝生の庭」は出て来ませんが)
      
 12年前の作庭時に、近くの市立図書館から借りた、芝生の植え方から手入れの仕方までの専門書をバイブルのように何度も熟読して要点のメモまで作成。そして、芝を植えるスペースを実測し縮図した上で、先ずはしっかりと整地してからホームセンターで姫高麗芝(今、園芸店などで販売されているのは殆ど姫高麗です。高麗芝より葉が細く密度が濃いのでガーデニング向き)を必要分まとめて買ってきて、本の作業手順に忠実に従って市松模様に植え(ちょうど5月連休頃が芝張りの好適期です)、その後も水遣りなどキチンと管理をし、数年掛けて生え揃えた自慢の庭でした。
でも、全て自分一人でやったので、(多分)我家の15坪ほどの「芝生ガーデン」部分の作庭費用は、目土などを入れても1万円以下でした(他に2万円前後の家庭用電動芝刈り機が必須ですが)。従って、芝生の庭はセルフ・ガーデンであれば、費用的には決して高いものではありません。

 なお、「西洋芝の方が一年中青々していて良い」というご意見の方もいらっしゃると思いますが、高麗芝と比べて、洋芝は元々成長の早い(耐寒性のある、品種改良された)牧草だったりしますので、毎週のように頻繁に芝刈りをしないと(食べる牛がいなければ当然ですが)成長しすぎてしまうため、スポーツ施設ならいざ知らず、自宅の庭用としては、個人的にはあまりお薦めしません。
会社でも、自宅の庭に芝生を植える同僚が結構多いのですが、聞かれるとそうアドバイスをしています(毎週芝刈りが出来る方ならいいかもしれません。     通販カタログでもその旨の注意書きが小さく書かれています)。
熟読した専門書には『秋の高麗芝の“紅葉”(注記:葉先が赤く色づきます)も味わいがある』との記述がありましたが、全く同感です。そして、春の“芽吹き”もワクワクして、年中緑の洋芝よりも季節感があるように思います。

 (元は野菜畑だったので)「土地が勿体無い。野菜を植えればいいのに」と最初は批判的だった母も、その後「ふわふわしていて気持ちがいいね。」と裸足で歩いたりと、大層気に入ったようでした。
最初の頃は、雑草をこまめに抜いたりしましたが、休みが果樹に向けられるようになってからは、時間も余り避けず、手を掛けぬ分だけ荒れてしまい、雑草も蔓延るようになっていました。植物も(果樹や野菜も)子育て同様正直です(逆に甘やかさずに手を掛ければ、掛けた分だけちゃんと応えてくれます)。

 リノベーションでも、通路などのエッジを切り、また芝焼き以外は剥げてしまったところに少し補植をして、また夏秋用の花の植え替えに併せて、芝生用の除草剤(芝を含むイネ科の植物以外しか効かないタイプ)を散布していただいたくらいで、芝生ガーデンそのものは殆ど改修されていませんが、春先の芝焼きが雑草や害虫対策に非常に効果があったのではないでしょうか。ただ、除草剤は左程効果があるようには感じられませんでした(逆にどうも原液を芝の上に作業中に誤ってこぼしてしまったようで、そこだけ円形に芝まで枯れてしまいました)。
 また、ガーデナーの方からのアドバイスは、この辺りの土地は粘土質なので、目土もむしろ川砂の方が水はけや蒸れ対策などには効果的とのこと。なるほど、教科書には応用編や個別編は無く、さすが専門家と感心した次第です。また、ずっと悩まされているしつこい雑草も、あるガーデニングの本に「あまり神経質にならずに(芝生に二葉のような雑草があると本当に目立つため、それこそ腹這いになってピンセットで抜いたこともあります)、芝と一緒に刈り取るくらいの大らかさでいい。」とあり、それからは何となく気が楽になりました。今回も、抜き易かったり、抜かないと増えて蔓延ってしまうタイプの雑草だけは対処した上で、全体の芝刈りをしました。ただ、そうは言っても、密度の濃い芝を保つためには、(姫)高麗芝であっても、特に一番成長する7月などは、定期的な水遣りとともに少なくとも2週間毎の芝刈りが必須(逆に頻度を多くした方が芝が短いので短時間で終了します)であり、(自分自身の反省も込めて言えば、信州弁で“ずく”を惜しまずに)毎年キチンと手入れが出来る/する覚悟がないと、憧れだけでは綺麗な芝生にはなりません。

 梅雨時、芝生が一雨毎にその密度を濃くしていくようで、刈り取った後の若草の匂いと共に、目にも涼しげで本当に気持ちの良いものです。

 【注記】
「ララミー牧場」や「コンバット」ではないとすると、「奥様は魔女」とか「名犬ラッシー」くらいしか個人的には思い当たりませんが・・・?
因みに、米国のホームドラマで休日にご主人が芝を刈るシーンが多いのは、洋芝は毎週のように芝刈りをしないと伸びすぎてしまい、ご近所からクレームが来るために頻繁にやらざるを得ないからだ、というのを何かで読んだことがあります。芝刈りは米国的マイホーム・パパの象徴と言うより、むしろ地域コミュニティーの一員としての必然だったのです。
でも確かに、以前オレゴン州ポートランドに出張した時に見た、各家の広々とした芝生は、それはそれは見事に手入れがされていました。

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