カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 漸く『三国志』全巻を読破しました。
 PartⅡも既に公開されましたが、ジョン・ウー監督作品『レッドクリフ(PartⅠ)』を見て、赤壁の断片だけではなく、ちゃんとその背景(例えば、PartⅠの中で、呉の援軍を率いて周瑜が諸葛孔明と一緒に劉備の元に到着した折、劉備がなぜ草鞋を編んでいたのか、また関羽がなぜ子供達に勉強を教えていたのか。はたまた趙雲は長坂の戦いで何故白馬に乗っていたか・・・などなど、が三国志を読むと良く分かります)や赤壁に至る経緯等を知らないと駄目だと反省し、これまで余りに大作過ぎて敬遠していた『三国志』を(今流行りの「あんちょこ」本ではなく、北方謙三版や横山光輝のコミック版も含め悩んだ末)、やはり定本である吉川英治版でと遅れ馳せながら読むことにしました。後で知ったのは、全八巻の原本ではなく、レッドクリフⅡ封切りとタイアップし、ここでエピソードを抜粋し新しく装丁した全五巻版でした。
3月の三連休(次女の引越し)から読み始めてみると、そのスケール感に圧倒され、また実際に展開が面白くて、東京への高速バスの往復や都内での電車での移動中、それこそ貪るように読み続け(お陰で帰路のバス内に忘れ物をして家内からお叱りを受けましたが、それくらいに)止まらなくなるほどでした。やはり古今の名作というのはそれなりに故あるものだと実感し、これまでの読まず嫌いを反省した次第。

 平日は通勤電車での往復1時間半が新聞も含めた私の読書タイムなので、鞄での携行を考えるとどうしても文庫本主体になりますが、文庫本だと1冊700頁超の分厚さで全五巻。第一巻は、都内での電車移動が多かったこともあり5日間で読破し、このスピードなら結構読み進めそうに思いましたが、その後スピードが鈍り、3ヵ月後の6月26日を以って漸く読破しました。最後は『死せる孔明、生ける仲達を走らす』の有名なエピソードで完了です。
 さて、肝心の赤壁の戦いは吉川本では意外とあっさり(むしろ知略・謀略戦の記述中心)でした。また、曹操も映画とは違い、必ずしも悪役とは言えない(確かに残虐さや狡猾さなどの短所もありますが、戦国の英雄らしく潔くまた憎めないところもある)ように(読み手は)感じました。また、個人的には、趙雲の超人的な戦い振りが印象に残りました。長編大作ですから、どのエピソードをとっても、またどの登場人物をとっても、それぞれ魅力があって主人公になれますが、三国志全編としては諸葛孔明の英雄叙事詩だと感じた次第です。
それにしても、考えてみるとこの三国時代、日本は魏志倭人伝に漸く邪馬台国が登場する頃ですから、古代中国の凄さに圧倒されます。

 なお映画封切り前に赤壁は越えたものの、リンゴの摘花、摘果作業に週末終われて時間が取れず、結局映画館へは行けずに上映期間が終わってしまい、またDVDを待つ羽目になりました

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