カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
新緑の時期、緑一色の里山に白く浮かび上がっているのは「ヤマボウシ」の花。最近至る所の庭木(斯く言う我家にも紅白あり)や街路樹で植えられているハナミズキ(アメリカ・ヤマボウシ)ほど華やかさはありませんが、様々な緑色の中に、点描のような白色が素朴ながら印象的な山木です。
個人的な印象としては、この時期の東京への出張で、(上り線で)茅野を過ぎて青柳付近から韮崎近くまでの山間を走る時に良く見かけるような気がします。濃淡の緑の帯が続く中に、時折白い点描が視界に飛び込んできてはっとさせられると、この時期はそれがヤマボウシです。
我家の雑木林(風)ガーデンにも、その清楚な感じに惹かれ、作庭の際に購入し植えてありますが、花が咲いてみたら何と「ベニヤマボウシ」(それはそれで可愛らしいのですが)。当然の如く白を予想していただけに、当時がっかりした記憶があります(タグには紅の文字は無く、ただ「ヤマボウシ」とあったのですが)。
なお、ヤマボウシは秋になると葉の紅葉の前に赤い実をつけますが、甘く食用にもなるそうです(我家のそれは小鳥用)。
さて、『やはり野におけ すみれ草』(注記)と言いますが、ヤマボウシをすみれに例えるなら、さしずめビオラ(パンジー)がハナミズキでしょうか。ハナミズキの華やかさとは違い、このヤマボウシの素朴さも、山里にあってこそなのでしょう。
【注記】
『手にとらで やはり野におけ 蓮華草』(瓢水)
滝野瓢水は江戸時代播州加古川の俳人で、これが元歌(句)なのだそうです。蓮華草がいつの間にかすみれ草に変わって広まったとか。
【追記】
最近では庭木や街路樹としてすっかりポピュラーになったハナミズキ。春の花の時期だけではなく、秋に真っ赤に染まる紅葉もその人気の理由でしょうか。でも、意外と我国での歴史は新しく、1915年と言いますから未だ100年経っていないことになります。
かのポトマック河畔の桜(ソメイヨシノ)が、時の尾崎行雄東京市長から1912年に友好の印として贈られ、その返礼としてワシントンD.C.から贈られてきたのが我国の初代ハナミズキだとか。
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