カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
15年に亘り日経新聞に連載中の小泉武夫教授(この春で東農大は定年退官された由。日経のコラムもいつの間にか「発酵学者・文筆家」との記載になっていました)の名物コラム『食あれば楽あり』。
独特の擬音語や擬態語を駆使し、読むだけでヨダレが出てきそうな表現に毎回脱帽し、既に文庫本も4冊読破。例え、どんな簡単なメニュー(例えばお茶漬け)でも、普通の食材を使ってとことん拘る簡単意外なレシピ(食べるだけでなく、ご自身で“食魔殿”と名付けられた自宅厨房で調理)とその胃丈夫さにほとほと感心します。
で、一日雨模様だった先週の日曜日。奥様が、摘花作業で今まで忙しくて行けなかった美容院に夕刻からの予約が取れたとのことで、食料買出しの際、惣菜(何となくトンカツが食べたかったのですが、惣菜コーナーに無く止む無く串カツに)とお刺身を買って(調理せず母と)「簡単にすませたら?」という家内のアドバイスでしたが、別棟の母が「(雨で出るのが)面倒くさい」とのたまうので半分を届け、止む無く独りで食することに。以下、オトコの料理ゆえ、女性の方はご遠慮ください。
そこで、そのまま食べるのもチト芸が無いので、小泉センセに負けず、串カツを使い「ソースカツ丼」(因みに信州伊那谷が発祥?というB級グルメ。但し異説あり)風にアレンジしてみることにしました。
先ずキャベツを千切りにして熱いご飯の上に敷き詰めてソース(中濃が好適)を少しかけ、その上にオーブンで暖め直した串カツを、竹串を抜いて並べて再びたっぷりとソースをまぶして出来上がり。ソースをかけていたら、何となく急に味噌汁が飲みたくなり、煮干から煮出すのも面倒(家内は化学調味料嫌いで、常に煮干からだしを採るため「だし入り」ではなく無添加の味噌)なので、独りゆえ不精ながら、ただ味噌を溶いて家内が作ってあったホウレンソウのおひたしを浮かべて・・・。ツマミのお刺身とで、はいビール、ビール!と。
超簡単ですが、串カツのネギが甘くてソースと絡まって美味しくいただきました。多分、こういうガサツ?な料理は、オトコ独りでないと食べられないかしれません、ね。
そうだ、松本一本ネギのフライ/串揚げも意外とイケルかも!?(第64話『松本の老舗「しづか」と松本一本ネギ』をご参照ください)
そう言えば、昭和30年代の私の子供の頃、毎日田舎料理ばかり(この年になると、祖母の作ってくれたキンピラとか、うの花や煮物などが却って懐かく感じられますが)の中で、ソースが洋食の代名詞のようで何となく「ハイカラ」な気分(例えば目玉焼きも断然ソース派)がしたものですが、そんな古き昔を思い出させるような懐かしい味でした。
【追記】
先週の日経新聞の「食あれば楽あり」で山菜が取り上げられていた中で、小泉センセの記述に「アサツキ(浅葱)」とあるのは、一般に(古来古事記や万葉集にも)言う「野蒜(ノビル)」ではないでしょうか?春の山野草の代表格です。因みに、松本の我が家周辺(お年寄り達)では「ネンボロ」と呼んでいます。