カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 12年前の自宅建築時に庭の植栽まで資金が回らず、最初は「“タンポポ畑”もオツなもの」とそのままにしていたのですが、その内秋風が立ち綿毛が飛び始めると、ご近所に迷惑がかかることから、「何とかして!」という家内の悲鳴と、またガーデニングをいずれ定年後の趣味で続けられるようにという自分の興味関心もあって、(秋までにちゃんとタンポポは片付けた上で)翌春から自身で作庭を開始しました。

 先ずは、近くの中央図書館から作庭やガーデニング、植栽などの本を何十冊と借りて来ては半年掛けて事前学習し、一応、芝生、雑木林(風)、ハーブの3つのコンセプト・ガーデンに分けて、通路で仕切り、飛び石を置いて、段差の部分は階段状の花壇とロックガーデン風に石組みをして・・・。
選び抜いた(つもりの)庭木も(無いものは取り寄せてもらい)ガーデニング・センターから我家のトラックで運んでは、自分で穴を掘り植え付けました。ゴールデンウィークは「ガーデニング週間」として庭造りに専念し、都合3年間掛かって仕上げ、素人にしてはそれなりの自信作が出来上がったと自負してもおりました。

 ところが、3年前父が倒れてから、週末は農作業に忙殺されるようになると、庭には全く時間を割くことができなくなり(特に黄金週間はリンゴの摘花のピークです)、庭全体の雑草と、さらにはハーブガーデンにミント類も選んだ(植え方の)失敗から、それこそブッシュのようにはびこったミント(繁殖力のもの凄さと言ったら。竹のように地下茎でどんどん侵食していきます)に他のハーブは駆逐され全てミントに覆われてしまい、家内が「何とかして!」とまたもや悲鳴を上げ始めたのです。
    
 そして、結局、自分での修復は諦め、知合いの専門家に全てお任せすることに。
事前の現場打ち合わせの際に、一応「基本設計は、素人とは思えないほど良く出来ていますよ!」と、(現状への問題・課題として家内の集中放火を浴びる私への同情と慰めも含めた)お褒めの言葉を枕詞にいただいた上で、「でも、しかし(+後に続く全否定・・・)」と全体の植栽(使えるものは出来るだけ残しながらも)から見直していただきました。

 家内の「(出来るだけ)雑草の生えない庭に!」という無理難題へのプロの対策は、防草シートでウッドデッキの下や通路を覆い、その上に砂利を敷いて、カーブを描いて変化を持たせた通路にはその上に更にウッドチップも敷き詰めて。


 雑木林風ガーデンは2つの株立ちのコナラ(銀色の芽吹きが綺麗なんです)が大きくなり過ぎたのと、落ちたドングリから芽が出るのに(子孫を残す自然の摂理ではありますが)閉口した家内の希望で一株は抜かれ、あえなく冬のストーブの薪になり昇天。そして、一部植栽を変更した上、樹下はシェードガーデンとして雑草対策も兼ねてグランドカバー・プランツ(ポテンチュラ)で覆い、その中に家内のたっての希望を入れて(幸いシェードガーデン向きということもあり)色んな種類のクリスマスローズを30株植えていただきました。

 メインの芝生ガーデンは、シルバーブルーの色合いに憧れて、シンボル・ツリーとして植えたプンゲンス・ホプシーと、大好きで選んだ紅白の2本のハナミズキを含め幸いにも殆どそのままに(芝焼きを芽吹きの前にしていただきましたが効果大)。
 そして、ミントガーデンと化したハーブガーデンは、食用ハーブを植えるスペースを一部確保していただき、はびこったミントは、しっかりと土をふるいに掛けて根まで徹底的に取除いた上で、堆肥等を混ぜて更に数ヶ月間土を養生させた後、季節と彩りを考えた花々を宿根草中心に植えていただきました。
    
 なるほど!と感心したのは、プロは工事の出来上がりではなく、2年後3年後の成長した庭の様子を思い描いて作庭や植栽をしていくこと。やはり“餅は餅屋”と納得した次第です。なお、副次効果としては、家内が率先し且つ主体的にガーデニングをしだしたことでしょうか。メデタシ、メデタシ・・・。

 さて、写真は、昨春の工事開始から一冬越えて、初めての春爛漫を迎えた庭の様子です。今年は少し花芽が少なめですが、松本の我家でもハナミズキが満開を迎えました。