カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
最近、松本の老舗の文具店である『遠兵』(えんひょう)が倒産という新聞記事を見てびっくりしたのですが、先週末、伊勢町を車で通ると、確かにシャッターが降ろされていました。
子供の頃から、ここに行けば、筆記用具であれ、特殊紙であれ、手に入らないものは無いという感じの「文具のデパート」でした。本町にあった当時は学生でごった返していたと思いますが、通信販売や携帯メールの普及、郊外店の進出等・・・。考えてみれば自身も手紙を書くことも、その前に自筆で何かを書くことも少なくなりました。同じく老舗の本屋であった「鶴林堂」も数年前に倒産してしまいましたが、子供達を見ていると本を読まなくなりました。また両店とも街中にあり、自前の駐車場が無いため、斯く言う自分自身も足が遠のいていました。
文化都市と言われる松本も、その底辺を支えていた老舗の店が次々と無くなっていきます。そう言えば、以前買いたいと思っていたビジネス書が市内どこにも無く、東京への出張の折、新宿の紀伊国屋に立ち寄ったら、山積みされていて唖然としたことがあります。バスに乗らないから、いよいよ路線が縮小され不便になって、尚更乗らなくなる。そんな悪循環なのでしょうか。
その昔。松本で、学生がラブ・レターや文通(もう死語ですよね)の手紙を書こうとしたら素敵な便箋や封筒を買いに行く店。頑固な先生が、逸品の万年筆や舶来のボールペンの替え芯を捜しに行く店。そんな店は地方都市にはもう必要ないのでしょうか。一抹の寂しさを感じます。
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