カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
松本が主会場となった、1978年の『やまびこ国体』で、時の故和合松本市長が開会式の歓迎挨拶の中で、信州松本の枕詞として使った『山高く、水清くして、風光る』は、(本来は春の)松本をたった17文字で何とも余すところ無く形容した句だと思います(国体は秋の開催ですが)。*注記:「風ひかる」は春の季語
余談ですが、開会式で先に挨拶に立った故西沢知事が『みすずかる信濃・・・』と始め、全く同じ枕詞を用意していた和合市長は頭が真っ白になり、知事の2分間の挨拶中に思案して、咄嗟に思い至ったのがこの句だったのだそうです。
この句は、地元の「平林荘子」という方の句なのですが、調べても経歴や広まった経緯等は分かりませんでした。ただ、松本を紹介する際、(以前はネット検索しても、和合さんのエピソードと旧開智小のお土産品の2件しか引っかからなかったのが、今では)結構色んなところで一般的な松本の形容詞として(作者名は無く)使われているようです。
地元の人にも殆ど知られていませんが、大名町にある「四柱神社」境内の片隅に、この句碑がひっそりと佇んでいます。
中高生の頃、松本の本屋と言えば老舗だった「鶴林堂」(残念ながら数年前に倒産してしまいましたが、今でも空きビル状態でそのまま建っています)に自転車で本を買いに行くと、すぐ裏手が神社で、何となく境内を歩いていて句碑を見つけ、子供心に「いいなぁ」と思ったことを覚えています。
さて、弥生三月。冬と春が行きつ戻りつしながらも、信州も間もなく風光る季節を迎えます。
注記:なお、上の句碑の写真は風光る春ではなく、(H/P立上げ用にと)風立つ秋に撮ったものですが悪しからず。・・・ということで、お詫びに「春らしく」昨日リンゴ園で撮った「オオイヌノフグリ」(ってもう少し花に合った可愛らしい名前つけてあげられなかったんでしょうか?ちょっぴり可哀想です)の写真も併せて掲載しておきます。