カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 信州は、東京と比べると、花の開花は1ヶ月弱ほど遅れます。
 2月上旬に東京へ出張するともう梅が咲いていました。東京だけではなく、甲府盆地も同じ頃梅が咲いていましたし、サクラも同様(信州より1ケ月程度早め)ですので、温暖化で山梨のブドウに影響が出ているというのも「むべなるかな」でしょう。
 さて、リンゴの剪定も終わったので、日曜日から他の果樹等(自家用の梨や桃・柿、梅など)も剪定を始めました。
 3月1日の日曜日には「サクラ切るバカ、梅切らぬバカ」と言われるように、かなり徒長枝が出る梅を剪定しました。まだ2月というのに最近は雨が降ったり、異常気象なのでしょうか、信州も暖かい日がありましたので、枝によっては一輪二輪ではありましたが、もう梅がほころび始めているではありませんか。
  梅一輪 一輪ほどの 暖かさ(嵐雪)
 確かに東京と比べると1ヶ月弱遅れですが、例年に比べると10日から2週間程度早まっているように感じます。春が来るのは歓迎とは言え、早まりすぎるのも心配です。

 子供たちが受験の頃は、剪定した梅と桃の枝を室内に生けて、(薪ストーブ効果で)戸外より早く入試の発表に合わせて「サクラ咲く!」ではありませんが、縁起をかついで「花が咲く」ようにしたものです。我家の娘達の受験はもう終了していますが、それを思い出して、今年も室内に先ずは梅を飾ってみました。
受験生の皆さんにどうか「花」が咲きますように!

【追記】
 そう言えば、何年前だったでしょうか、朝の通勤電車でのこと。ちょうどその日は長野県の高校入試の日で、たくさんの中学生が乗り合わせていました。
 高校が集まるある駅に着く直前、車掌さんの車内アナウンスがありました。
『本日は高校入試です。受験生の皆さん、是非頑張ってください!』
 以前も以後も(残念ながら)その年だけの体験でしたが、あの時、受験とは関係無い私も含めた乗客の皆さんもきっと共感したのでしょう。何だか車内の空気がほのぼのとして暖かくなったように感じられました。

 2月28日に漸くリンゴの剪定作業が終了しました。
今年は、1月24日からブドウの剪定作業を開始し、2月中旬には終了予定でいたのですが、海外出張等で、土日・祝日の5日間が潰れてしまい、少し予定がずれ込んでしまいました。
 剪定は、樹形(今年だけではなく、数年後、どの枝をどのように伸ばすのか)や日当たりを考えながらの作業で、ある意味秋のリンゴの出来を左右する重要な作業です。
 昨年は少々実をならせ過ぎた反省から、今年はかなり思い切って枝を落としました。作業の途中、親戚(新宅)の伯父(父に経験を聞けなくなった今は伯父が私のお師匠さんです)が、今年の状況を見にきてくれ、合格点をいただきました。



 写真は、少し見にくいかもしれませんが、剪定のビフォア(上)・アフター(下)のほぼ同じ場所からの様子です。紐が見えるかもしれませんが、これは上に伸びた枝を誘引して、下向き(もしくは水平)にしようとしたためです。
 ものの本によると、リンゴの枝は水平/下向きになることにより、植物ホルモンの一種であるエチレンガスがより多く発生し、その結果花芽が付きやすくなるのだとか。また、エチレンガス(成熟ホルモンとも言われます)は、結果としてリンゴ(の果実)に多く含まれ果実の成長を促すのだとも。実際、青いバナナやキウイをリンゴと一緒に冷蔵庫へ入れておくと熟して甘くなったり、ジャガイモは発芽が抑制されるそうです。そのため、リンゴの剪定でも出来るだけ「柳の木が枝垂れるように」とJA(農協)の指導員が技術指導をされています。
 
 さて、この剪定作業の結果(良し悪し)が分かるのは11月下旬以降の収穫の時(更には枝が予定通りの樹形になるかは数年後)。今年の結果はどうでしょうか、楽しみでもあり、心配でもあり・・・。