カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
我家の愛犬「チロル」は、臆病なのかとても警戒心の強い犬で(自分の縄張りへの侵入者に対しては)吼えまくるので、近所迷惑も考えて家の中で飼っています。例えば、窓から見える散歩中の犬は元より、木の実を啄ばみに来る鳥や、はたまたお祭りの注連縄にまで若い頃は吼えていました。特に、妹夫婦の家でも柴犬を飼っているせいか、妹の家族の誰が来ても良く吼えていたので、彼等もチロルを怖がって近づこうともしませんでした。
11月下旬のリンゴ採り。妹夫婦が手伝いに来てくれて、今年は母が寝込んでいたため、やむなく別棟の我家の方で全員昼食を取った際、余り吼えるので(でも威嚇するような吼え方ではなかったらしく)家内がチロルをケージから出してみたのだそうです。するとチロルは、匂いを嗅いだ後は妹達にすり寄って甘えるしぐさをしたのだとか。そして最後には服従のポーズまで・・・。
姪も来てくれたのですが、今までの「怖い!」が一変し、「チロルって可愛い!」に。現金なものですが、確かに吼えられるのと甘えられるのとでは印象も180度異なります(歯を剥いて威嚇している時のチロルの顔は、確かに犬の祖先が狼であることを思い起こさせます。でも、何か悪いことをした後は、本人(犬)もすぐマズイと思うのか、即座に顔まで床に着けて四つ這いになり、上目遣いに許しを請うポーズに)。
それで、正月もこれなら安心!と帰省してきた甥も交えて我家で新年会。チロルも赤いバンダナで正装?してお出迎え。
・・・ということで、ナナだけでなく、すっかりチロルも人気者になりました。
チロルも12歳を過ぎ老成し、人間が、いえ犬が丸くなったのではと言うのが家内のご託宣。そうでしょうかね(元々太っているので丸いのですが)?皆が怖がっただけで、昔もケージから出してあげていたら結局こうなったんじゃないかと思います。まぁ、何はともあれ『めでたし、めでたし!』・・・です。
最近、松本で評判のお蕎麦屋さん、『蕎麦倶楽部・佐々木』。
昼時は店の外まで行列が出来、夜も一杯で予約して行かないと難しいと噂の店。年末、家内と買い物の後、遅くなったので「どこかで食べて行こうか!?」ということになり、いつもの創作料理のお店が残念ながらその夜は貸切りだったため、幾つかお互い候補を挙げましたが、いずれも帯に短しで、「では」ということでダメ元で行ってみることに。駅前から本町、大名町から四柱神社(この辺りで歩くの「も」嫌いな家内はもう音を上げていますが、無視して)の境内を通って、映画館横の古くからの食堂街?である緑町(ミドリチョウ)という狭い路地へ。この間徒歩で約10分。なぜか松本の老舗(私が子供の頃は「ソバはこばやし、ツユは弁天」=の方がそれぞれ美味い=と言われていましたが、その)『こばやし(本店)』という蕎麦屋の並び(相乗効果でもあるんでしょうか?)にあり、またリンゴのご注文をいただき「ブログも楽しみに見ていますよ」と初めて反応をいただいた際(『20.返信いただきました!』の項参照)に、その方は以前転勤で松本にいらっしゃって『5.松本グルメの項』を読まれて「こんな店もありますよ」と教えていただいた「路地の小さな中華料理屋さん」が対面に。「あっ、ここだったんだ!」。次回試してみます。
さて、『佐々木』の入り口には、ゴールデン“らしき”犬が寝そべっていました。混んでいるかと思ったのですが、その夜は偶然にも?すいていて、食べ終わるまで客は私達だけ。ここは「創作料理とお蕎麦がウリ!」と聞いていましたし、初回でもあり、先ずは締めに蕎麦も入っているというコース(通常は事前予約で3500円から)を注文。
料理(和洋折衷)は、家庭料理的で素朴ですが、地元の素材を使い信州らしい工夫もされていて、また最後の蕎麦も玄蕎麦は信州産に拘り、その日は木曽御岳の麓、開田産の蕎麦粉100%。十割蕎麦と言っても良いくらいですが、マスター曰く「9割6分か7分」。最初に岩塩で食べるように勧められましたが、確かに塩で食べると蕎麦そのものの味が、しっかりと且つ甘く感じられました。ツユは江戸前風で信州蕎麦に慣れた私達にはかなり辛目ですが、美味しかったです。蕎麦だけだと「もり」で1100円?と書かれていたような・・・。最後の蕎麦は結構量があり、コース料理はそれも考えてか、一品一品が少し小ぶりになっていました。どうやら、奥様が料理担当でご主人が蕎麦打ち担当とお見受けしました。
ここは、何より店の雰囲気が素敵です。
店内には管球アンプが奏でるジャズが流れていて、蕎麦屋というよりむしろ(中年好み?の)渋い喫茶店の雰囲気。壁にはSKOの写真や色紙が飾られていて、普段はクラシックも流れているようです。
そして、ゴールデン「らしかった」犬は、英国の原種に近い、むしろ正統派「ゴールデン・レトリバー」で、この犬種は米国に渡り大型化され、その分弱くなったのだとか。普段見慣れたそれよりは毛が固く、信じられないくらい大人しくて、ご近所の方々でしょうか、皆さん道すがら頭を撫でていきます。そして、夏冬、ご近所の方が季節に合わせて敷物を“勝手に”代えてくれているのだとか。彼の名は「ユウスケ」。雨が降ると、自分でお客さんの出入りに付いて(戸が開いたら)店内に入ってきて店番をしているという、泰然として風格すら感じさせる看板犬です。
また次回、冷酒を片手にゆったりとジャズを聴きたい、そんな気にさせる「変な」(≒いい意味で“松本らしい”理屈っぽさを感じさせる)お蕎麦屋さんでした。
*何だか、お店そのものより犬の話題が多くなってしまいました。参考までに少々古いのかもしれませんが、H/P(タウンページ)があったのでURLを貼付(アクティブにならなかったらすいません)しておきます。ユウスケが(寝ずに)座って写っています。
http://nttbj.itp.ne.jp/0263883388/index.html