カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 土曜日、お客様最優先で後回しにしていた我家の親戚等へのリンゴ発送と、日曜日には松本市内の親戚への配達を以って全ての発送が終了しました。考えてみれば11月の三連休から始まって、休日ばかりでなく、平日も帰宅後深夜までの作業も含め、三週間連日連夜で続いた作業で、その間、家内も同じく夜遅くまで伝票作成やお客様とのやりとりなどパソコンでの事務作業を夜遅くまでやってくれました。疲れとともに無事終了の安堵感と、そしてもっといいリンゴにしなきゃという反省と。そんな色々な思いを込めて、ご注文の発送が終了した金曜日は、会社から帰宅後夫婦二人でささやかながら贈答用出荷終了のご苦労さん会で、本当に久し振りに夜の街へ出かけました。
 ご近所の奥様からは、父が倒れた後、何年か振りで(きっとリンゴ園の様子を暫くご覧になられていて、ここで安心いただけたのでしょう)ご注文をいただき、日曜日にはご自宅用をお届けした際、送り先のお友達から「お父様が入院されて諦めていたお宅のリンゴがまた食べられる。」と喜ばれて同じ感想が寄せられたと嬉しいお言葉をいただきました。
 また、発送用にURL等を入れて、私名義での果樹園のスタンプを新たに作成し押印の上発送したことから、首都圏にいる父方の叔父達は「(私がリストラで会社を辞めて)果樹園を継いだのか?」と心配して、(私には直接聞けず)松本に住む叔母へ電話を掛けて来たという笑い話を、やはり昨日叔母にリンゴを届けた時に聞かされました。
 赤く色づいたリンゴの収穫をはじめてから僅か一ヶ月足らずですが、リンゴの木々も殆どの葉を落として冬の装いです。そしてこの冬の間に、来シーズンへの蓄えを、今はまだ固い小さな芽の中にしっかりと貯めていきます。
 そして、年明けからは(早い農家はもう年内から)来シーズンへ向けた枝の剪定作業が雪の中?始まります。

 14日(関係ありませんが、討ち入りの日だったんですね)の日曜日は未明から雨が降ったようで、朝方は雪が舞い、寒い一日でした。
 翌今日月曜日は晴れ。朝、東山・西山とも1000m弱くらいのところで、雪と雨の境界がクッキリと水平に直線が引かれたように、見事に白黒に色分けされていました。もう少しすると、雪も下まで降りてきて里も白一色になりますので、初冬独特の風景だと言えます。
 朝、ボーっとした頭もシャキっとなるような寒さと、そして姿勢をしゃんと正すような冬山の風景。冬の信州松本の、何物にも代えがたい風物詩です。

【追記】
 もう何十年と(海外駐在時代もしっかりと)定期購読している雑誌にビッグコミック・オリジナルがあります。もともとは『人間交差点』や連載が長くなった『風の大地』とかが好きで購入し始めたように思います。また浦澤直樹や一丸といった作家の作品や、村松誠の表紙もほのぼのしていて大好きです。
 そうした中で、今連載されている一つに『岳』があります。北アルプスの山岳救助という異色のストーリー。作中で所轄の警察署として登場するのが「松本北署」。山(ボランティア救助の三歩)が主役ですが、脇役でしばしば松本市内の様子が描かれていて、写真から採ったにしても松本駅前の様子が(地元の人間が見れば)リアルに登場します。
 そんな中で、異動(松本空港の営業所が閉鎖され)を余儀なくされそうな民間災難救助ヘリ(普段は荷物の運搬等)の腕利きパイロットの夫婦の会話として、『少し寒いけど松本は好きよ。』(でも異動するならどこへでもついて行くという流れですが)というやり取りの場面が出てきます。シンプルですが、言い得て妙。
 そうです。『少し寒いですが、松本はいい町・・・です』