カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
我家には12歳になる雑種のメスで「チロル」が同居しています。もともと家を新築し、まだ小学生だった娘達が、犬を飼いたいと言っていて、じゃあラブラドールがいいか、ゴールデンリトリバーか、はたまたシェルティかと考えていた矢先。忘れもしませんが、朝四時頃そぼ降る雨の中、ベランダに出てみると子犬の鳴き声が聞こえ、誰かアパートで内緒で飼ってるんだろうかと思い、その後新聞を取りに玄関に出ると、何とそこに生後1~2ヶ月の子犬が雨に濡れて震えながら鳴いていました。誰かが我家の玄関先に捨てていったのです。ずっと雨に打たれていたせいでしょう。かなり弱っていて、下の娘が「死んじゃう!」と泣きじゃくりながらぬるま湯で温めてあげて、その日は娘がそれこそ夜も寝ずに看病していたのを思い出します。その甲斐あってか、やがて元気になり、家の中を跳び回りはじめました。犬の訓練士の方からは、後日飼うのはお薦めできないとも言われましたが、雨の日に見知らぬ家に押し付けていく、優しさを履き違えた元の飼い主の身勝手さに憤りを覚えつつも、娘達がどうしても飼いたいと言って、結局我家の一員になりました。
子犬の頃、ハイジに出てくるおじいさんの飼犬(因みにセントバーナード)に似ていると思ったのか、下の娘に「チロル」(と勝手に思っていましたが、今回娘に聞いたらチロル・チョコからの命名。安いけど皆に好かれているからとか。当時下の娘は小学校3年くらいだった筈ですが、ナカナカのセンスに感心した次第)と名付けられた彼女は、臆病なのか、捨てられていたことへのトラウマなのか、家族以外には全くなつかず通行人や鳥、はたまた地区のお祭りに張った風に揺れる注連縄にまで吼えまくるので、結局近所迷惑なことから室内犬に。そして、同じような境遇の子犬を増やさぬよう、可哀想でしたが避妊手術をしました。その後、私メが甘やかしすぎとのことで丸々太ってしまった彼女は、家内からは「ブーちゃん」と呼ばれています。時には、下の娘の米国からの留学土産である真っ赤な犬用バンダナを巻かれて、雑種らしからぬ風貌ですが、結構(ズル?)賢くて、我家の無くてはならない一員です。
子供が小さい頃、私が勉強を見ると怒って泣かせてしまうので、勉強は家内に任せて、その代わりに土日だけですが、食事を私が担当することにしました。最初は家内の嫁入り道具でもある料理全集と首っ引きで、ある時は「冷製ビシソワーズ」をジャガイモを茹でて濾すところからやったりもしました。一番好評だったのは、揚げダシ豆腐だったでしょうか。子供が成長し家内が準備できるようになってから、また週末は一日農作業中心になってから、余り料理する機会はなくなりましたが、何か家内が用事があったりすると、時々今でも男子厨房に立っています。
さて、冬は野菜も採れますしまた材料を準備するだけで簡単なので、どうしても鍋物の頻度が多くなります。そんな中で、今風に言えば「超」簡単でしかも安く、且つ(手を掛けない割に)美味しいのが、白菜と豚バラだけの安直鍋。白菜一枚に豚バラ肉を引き詰め、荒引き胡椒を(お好みで)振って同じようにそれを何段にも重ねます。それを4~5cm幅にざく切りをして、ぼたんの花弁のように立てて鍋に敷き詰めます。白菜から充分に(浸るくらいに)煮汁が出てきますので、一切水は入れずにそのまま火に掛けて煮詰めるのがコツ。そしてポン酢でいただきます。白菜と豚バラ(もし油が気になる方は肩ロース肉で)だけとは思えない、水が入らないせいか豚バラのこくと白菜の甘味充分な鍋の出来上がりです。そして、材料が無くなったら、最後はうどんを入れて。人数にも拠りますが、大き目の鍋(土鍋よりも寸胴鍋のような底が平らな方が使いやすい)に多めに作るのがポイント。多少、方法は違いますが、2回ほど同じようなレシピが新聞?(日経連載の東農大教授・小泉武夫センセのコラム「食あれば楽あり」だったかなぁ)でも紹介された記憶がありますが、安く(黒豚などの銘柄豚を使っても、多分一人前250円以下)簡単でしかも想像以上に美味しい安直鍋で、最初材料を聞いて「エーッ?」と訝しげに声を上げた家族にも好評で、時間が無い時など(でも手抜きと思われぬようにするのに)正にお薦めです。騙されたと思ってお試しあれ!
松本の人達は方向を指す時に、前後左右ではなくて、当り前のように東西南北を使うようです。例えば、「あそこの角を右折して、」の代わりに「あそこの角を東に曲がって、」といった具合です。遠くの方角ならいざ知らず、家の中でもそう(例えば、西側の棚とか)なのですから、諏訪出身の妻は、結婚したての頃「東西南北で言われても分らない!」と良く嘆いていたものです。このH/P中の場所の説明も、やはり殆ど東西南北であることに気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。これは、四方が山に囲まれた盆地ではあっても、東西南北の山々が非常に個性的、特徴的(一目で分ること。山への視線の高さが異なる)であることがその理由だと思われます。即ち、
・東・・・高ボッチ、鉢伏山、美ヶ原、三才山(正確には戸谷峰。山容が特徴的)
と続く筑摩山地の峰々(2000m級)。その名も東山、最近は東雲街道とも
・西・・・北アルプスの峰々(3000m級)。前山を西山と呼ぶことも
・南・・・塩尻方面で、東西の峰々に囲まれて、塩尻や善知鳥などの峠があって、 このエリアだけが、(特に高台の岡田からだと)空が低く広がっています
・北・・・市中からだと城山、アルプス公園、芥子坊主山(891m)に至る里山
岡田方面
松本に来られて、地元の人に道を聞いた時に、どうぞ面食らうことの無いように。