カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
かつてオーディオブームの頃、数々の自作スピーカーの傑作機を発表し、世のオーディオマニアから自作スピーカーの「神様」と崇め奉られた故長岡鉄男。氏はコント作家からオーディオ評論家へ転進したという異色の経歴の持ち主でした。しかも、当時から「箱舟」と命名した地下室のホームシアターを作っていた、現在のAVの先駆者でもありました。私も当時マニアの端くれとして、氏の傑作機である10cmフルレンジ一発のバックロードホーン「スワン(Ⅰ)」を製作し、その後新築時にわざわざ秋葉原で聞き比べて購入した3ウェイのKEFのトールボーイも追いやって、今だにメインスピーカーとしてリビングに鎮座しています。本当は、大音量で聴きたいのはヤマヤマなれど、特にクラシックは見向きもされず騒音扱いのため、その実力もなかなか発揮されず、娘達のポップスを軽快に鳴らしてくれています。
*スワン・・・音源は拡散を防ぐ意味から点音源がベストであり、また余分な回路で抵抗を増やして物理的に電気信号を劣化させぬようにということから、僅か10cmのフォステクス製高効率フルレンジ・ユニット1発で、一方不足する低音は氏の得意なバックロードホーンでカバーさせるという超高能率スピーカー。聴く側は音源を耳の高さに合わせて、二等辺三角形の頂点で聞くと音場感が最高になるというもの。フルレンジ1発のため、やや高音が不足することからトゥイターを追加する人も多い。その後、実質2号機であるスーパー・スワンまで進化。試行錯誤でさまざまな「スワン改」を製作して、「自分のが一番」と悦に入っているマニア多数。
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