皆さんこんにちは。
長野県塩尻市にある
鴨居歯科医院審美サロン
歯科医師の田中です。
皆さんは食について興味がありますか?美味しい物を食べることは一生涯の楽しみであり、かつ口腔に携わる私たちが食に対して、歯周組織をつくるためだけではなく、全身の健康へのアドバイスとして関わりを持つことを歯科専門的な立場でできたら と僕は思っています。
今回紹介するパレオダイエット(原始人食)は医者である崎谷先生が、日本人版に手直しし、医学、生化学、歴史学、民族学など色々な学問を統合して「人は何を食べるべきか」を追求した学問です。
人類の歴史は260万年前から始まりました。当時の人類は狩猟時代、動物や他の肉食動物が残した骨や骨髄から必要な栄養素を摂取していたのです。
似た類人猿として、ゴリラやチンパンジーと比べて決定的に違うのは脳の大きさと腸の長さです。人間は高度な知能を獲得するために腸と引き換えに大きな大脳にトレードオフしたと言われています。ゴリラは難消化性の植物が主食のため、多くの腸内細菌を抱える必要があり長い腸を持っています。牛が4つの胃を持ち長い時間をかけて消化する必要があるのと同じです。
また、脳は他の臓器と比べてかなりのエネルギー消耗機関です。脳の大きさの割に総エネルギー量の20%を使い、脳が大きくなるということは、その分効率の良い栄養素、エネルギーを摂取できないといけません。人間はこの脳と腸のトレードオフができたのは、効率の良い栄養源である肉食であったからと言われています。
生化学的には、植物から得られた栄養素は、動物性の栄養素と比べてかなり複雑な身体の様々な酵素が働く必要があり、身体が使える燃料として使用できるのはごく一部、これは長い人類の歴史の中で狩猟時代が260万年前、稲作など農耕時代が始まったのが1万年という時代のほんの一部の中で、人間は肉食から必要な栄養素を摂取するような遺伝子を引き継いでいるということもわかっています。ベジタリアンの究極であるビーガンという人達は全く肉を取らない(卵も)ので有名ですが、実はビタミンB12のサプリを取らないと死んでしまいます。菜食では摂取できないのです。
長い歴史の中で遺伝子が変化するということも聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、遺伝子変化はスイッチのオンオフ、です。例えば人が翼を持つということがありえないように全く新しい遺伝子が生まれるということはないということです。東南アジア沿岸で海の上に暮らす民族は、海の底を潜って狩猟するために高い視力と海の中でもピントが合う眼をもち、水圧に強い鼓膜を持つということが知られていますがこれは遺伝子のスイッチのオンオフによるものです。
人類が狩猟時代が260万年、農耕時代が1万年から始まったというのもポイントで、長い歴史の中で人類が狩猟時代に合った消化酵素を持ち、栄養を補給する身体の仕組みであるというのも理にかなっているでしょうか。
常に飢餓との戦いや、手に入れた獲物を分け合う狩猟時代(この時代の精神ストレスは短期的なものであると言われています)から、農耕時代の到来と同時に変化がありました。それは、主食の変化(炭水化物メイン)や食料が常に確保できる、またそれにより権力争いが起き、精神的な長期ストレスもこのころからあったのではないかと言われています。
そして、狩猟時代には無かった農耕時代の人類の身体の変化を比べたときに、あらゆる慢性炎症(がんやリウマチ、糖尿病、高血圧、むし歯歯周病)などが農耕時代になって初めて劇的に増大したという研究結果があります。
これは食生活だけでなく、生活環境、長期的な改善できない精神的ストレス、様々なことが関係しており、私たちの身体に合ったパレオライフ(原始人の頃と同じような生活スタイル)を意識する必要があるとのことです。
皆さんが目指す健康とは何でしょうか?口腔ケアや砂糖を控えるだけではなくて、人間が人間らしいライフスタイルをすることも大切です。
しかし社会で生きていくためには社会組織や業界、会社に沿って生きていかねばなりません。
本来のヒトとしての人間らしさも大切にして生きていきたいと思いシェアさせて頂きました。
参考:間違いだらけの食事健康法
最後までお読み頂きありがとうございました。