みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
歯科医師の花岡 泉です
暖かくなったり、寒くなったりしていますが皆様お変わりないでしょうか?
患者さんから残根についてご質問がありましたのでお話したいと思います。
歯として機能するための歯の頭(歯冠)部分が虫歯などで溶けてなくなり、根だけ残っているような歯を「C4、残根(ざんこん)」と言います。残根になってしまう主なパターンが3つあります。
①虫歯になっても治療せずに放置していると、次第に虫歯が歯の頭(歯冠)を溶かして残根になります。
②痛くなった歯の神経を抜いた後、最後まで治療しないでそこで来院がストップしてしまうケース。
③かぶせものが外れたり、差し歯がとれてそのままにしていますと、残根状態になります。
残根の主な治療方法は以下の4つです
①残根になると歯の内部の神経がすでにダメになっているか、過去に神経を抜いてあることが多いので、歯の神経を残すことができません。歯の神経を抜いた穴に金属などの土台を差し込み、その上にかぶせものを作って歯の形に戻します。
②根が短い、ヒビが入っている、虫歯が歯ぐきよりもかなり奥に進行しているような場合は、残根の周囲の歯ぐきが炎症を起こしていたり、短すぎて土台の金属を差し込めなかったりします。そのため抜歯になることもあります。
③高齢者などの疾患、飲んでいる薬(骨粗鬆症の薬、抗凝固剤など)の種類によっては、抜歯や治療にリスクが伴うことがあります。このため症状がひどくなければ、リスクを回避するため抜歯せずにそのままにすることもあります。
④残根の表面に高さ2~3mmのドーム状の蓋を作ります。この上に入れ歯を装着します。通常入れ歯は歯ぐきが噛む力を支えますが、ドームを入れ歯の下に置いておくことで、残根が柱の役割となり、歯ぐきで支えるよりもしっかり感が増します。
残根は歯が根だけしか残っていないため、一般的に機能を回復させるための治療の難易度が高く、治療の時間や回数が多くなる傾向があります。状態が悪ければ抜歯につながります。
虫歯を放置して残根になってしまった場合には、たとえ治療で元に戻ったとしても、早期発見で治療した虫歯に比べて歯としての寿命が短くなりやすいです。
さらに汚れた残根の表面にはたくさんの虫歯菌や歯周病菌が付着しています。痛みがないからといって治療せずに放置していると、その菌が他の健康な歯や体に影響を与えることも考えられるので注意が必要です。
是非、早めにご相談くださいね。