みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の歯科医院、鴨居歯科医院
鴨居インプラント審美サロン
院長の鴨居弘樹です。
街路樹は葉を落とし骨格を示し出しました。
昨日の雲一つない好天気から今日は冷たい雨がしとしとと降り、枯葉がベッタリと路上に張り付いています。
昨日11月25日(日)は秋の行楽日としてはすばらしい日となり、車の量も多く国道沿いのレストランも混んでいました。
そんなよき日に、鴨居歯科医院を永年受付として勤務して頂いていた山田公子さんが前もって綿密な計画を立てて開業した、「ごはん処 ほうせんか」に女房と共に招待されて行って来ました。
一般住宅街にあって看板もなく目立つ所でもないし、むしろ分かり難いところですが、落ち着いた雰囲気でありOpen時に行った時より一段と洗練.されていました。
丁度旦那さんも来られ3人の貸切り状態ですばらしい時間を過ごさせて頂きました。
出された食事は本当に手の込んだ山田さんの想いが伝わってくる美味しいものが次々と出され、更に工夫された新しいメニューの料理も出され家庭の味といいますか、むしろ高級日本料理という趣でした。
山田さんの人柄を慕って日々多くのお客さんが訪れ定着したファンとなった方々がいらっしゃるとの事、さすがだと改めて学ぶ点が沢山ありました。
機会を作って何回でも行きたいところです。本当にお世話になりました。ありがとう。
夕方は「お茶事」に招待されて出席しました。
ご亭主の青山俊董先生は1年に一度すべてのお弟子さんを招いてお茶事を何日もかけて開催して下さいます。
今回は夕方からの茶事「夜咄(よばなし)」に招かれました。
月3回のお茶の稽古は、この茶事を行う為のものです
。
茶事に招かれた どんな事があっても出なければいけないというのが決まりです。
午後4時40分に10名の参加者が集まり全員が「寄り付き」という所に案内されますが、そこで服装を整え、扇子、服装、懐紙、京花紙、ハンカチ、袖落し、残菜入れ等をもって案内を待ちます。今回は久しぶりに和服を着て参加しました。
足元の行灯に導かれて外に出ると、住みきった空には月と光が輝き、これも又素晴らしい風情となりました。
亭主の誘導と共に蹲踞(つくばい)を使うと水琴窟(すいきんくつ)の音が鮮やかに聞こえてきました。
小間に席入すると床の間には掛け軸があり、ご亭主俊董先生の挨拶、解説が行われ、続いて「初炭」「濃茶」と行われました。
本物の炭を用いて本格的に行われる「茶事」は現在では殆んどこの辺りでは行える人がいないのですが、由緒あるお道具しかも本来なら博物館に置かれても良いような品々を実際に手に取って拝見でき、用いられるのも青山先生のお陰でもあります。
お濃茶が終り、懐石の席はやはり一度外に出て広間の「閑雲亭」に移り本格的な懐石料理が出されそれを楽しむ作法をこと細かく解説し教えて頂きました。
すべて手作りの手のこんだ料理は器ともマッチし、手際良く運ばれてくる全てが美味しく満足感の得られるものでした。 本来ならお酒も楽しむことができるのですが、車社会の為にお酒が“お茶気”に変わってしまったのは少し淋しいことです。
長時間の正座で足が痺れていますが何とか耐えました。
満腹感が得られた後は「後炭」「薄茶」と普段部分的稽古で行っている作法にそって行われました。
それら全ての形式が終わると最初の寄り付きに戻りましたが10時近くになり5時間に渡る一連の「夜咄(よばなし)」は終わります。
無量寺の玄関口まで俊董先生は見送りに立たれて恐縮するばかりでした。
足の痺れはありますが、心の痺れに酔い、日本文化の奥の深さを改めて思い知らされました。
山田さんの心配り気配り、俊董先生の本格的な文化継承のあり方、学ぶことの多い一日でした。
「一期一会」
再び通らぬ一度きりの尊き道をあなたはいま歩いている(榎本栄一)