みなさん、こんにちは!!
長野県塩尻市、鴨居歯科医院、インプラント・審美サロン
歯科医師の野平 泰彦です。
今月はじめ、個人的にフィリピンへ医療ボランティアチームに参加してきました。参加するのは3回目です。
内科・眼科・歯科の3科で行い、2日間の医療奉仕活動で8000人以上を診察できたようです。
フィリピンには保険制度がなく、歯を1本抜いて日本円で1000円程かかります。
現地では4人家族がギリギリ暮らすことができる金額だそうです。
ちなみに、義歯は1200円ほどかかるそうで、これも払えない方が多い。
そのため、町中に『入歯師』という職業の方がいます。
既製の義歯を露店で販売しており、客は自分の口に近いものを選んで、使っていくうちに当たってくる部分を自分で調整するようです。
さらにちなみに、『歯抜き師』という職業もあるという話でした。当然、麻酔はないそうです。
ですので日本のような歯科治療を受けられる方は限られていて、虫歯になっても痛くなってもひたすら耐える・・・・・・
実際、『どれだけ我慢してたんだろう?』と考えさせられる口の中の状態を、たくさん診ました。
日本のように回数のかかる治療はできないので(患者さんが医療機関を受診できないので)、
やや深い虫歯 ⇒ 抜歯
ということになります。
初めて参加した時、日本なら確実に残してあげられるのに。という歯を抜くというのは、かなり抵抗がありました。
しかし、現地の患者さん達は、その行為を喜んでくれる。
高い医療費を払わずに、痛みを取ってもらえるということで、かなり感謝されます。
抱えている現実の違いを感じました。
今回の医療福祉活動において、たくさんのことを見て、たくさんの歯を抜歯してきました。
たくさんの気づきを得ました。
日本というありがたい環境に産まれ暮らしている、自分の今の状況に感謝し、今後に活かせていけたらと思います。