みなさん、こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院・インプラントセンター
歯科医師の渡辺 正哉です。
皆さんは、[ブラキシズム]という言葉を耳にしたことがありますか?
これは、
(グラインデイング)[歯軋り]:上下の歯を強い力で無意識にこすり合わせる。周囲の人が気づく。
(クレンチング)[くいしばり]:上下の歯を強い力で噛み締める。周囲の人には分かりにくい。
(タッピング):上下の歯をカチカチと連続的に噛み合わせる。
と言う不良習癖の総称なのです。
これらは、本人の全く知らないところで(無意識のうちに)行われています。
[無意識]でと言うのは、ほとんどが寝て居る間に行われる為ということと、強いストレスや何かに熱中・集中していて気が付かないうちに行われるという事のためだそうです。
いろいろな[病気の原因]としては、
1、顎関節症の原因のひとつ
2、歯周病の進行を早める
3、咬合性外傷を引き起こす(かみ合わせの不調和)
4、多数歯の知覚過敏(冷たいものがしみる)
5、歯牙の咬耗(擦り減り)
6、補綴物の破壊・歯牙の破折(根の破折の時は抜歯となる)
などの重篤な病気の原因と成りえます。
なぜ[ブラキシズム]が起きるのかに付いては、まだ解明されていない点が多いのですが、咀嚼筋群(お口の周りで開けたり閉じたりするときに関係する筋肉の総称)が何らかの理由により異常に緊張して本来の役割とは違う非機能的な動きをするために[歯軋り][くいしばり][タッピング]が引き起こされます。
さらに現代人特有のストレスが原因であるとも言われておりますし、中にはこれが引き金となって[ブラキシズム]を始めると言っている学者もいるようです。
しかし最も困る問題としては、一旦始まるとなかなかこれをコントロールすることが出来ないことです。さらに、確実に病気は本人が意識しない限り進行の一途をたどります。
一番の治療法は、患者さん本人がまず認識(知ること)し、不良習癖を止めようと意識する(考える)ことだそうです。
これだけで、中には気付かなかったことを知ることで、自己暗示ができて[ブラキシズム]が止まる事も有るようです。
皆さんの中に、
1、最近歯ぐきが退縮して来て歯が伸びてきた
2、歯の根が見えてきた
3、冷たい物に対して歯ぐきがしみる
4、何本もの奥歯がしみる(知覚過敏症)
5、あるいは、歯の付け根(歯肉との境目)がエグレて(くぼんで)きた
6、詰め物やかぶせ物がよく取れる
7、朝起きたときに顎が疲れる
という方がいらっしゃれば、[ブラキシズム]による[力]のせいかも知れません。
「歯」と「歯ぐき」を守るために、もしこれらのことが気になる方がおられましたらお気軽に当医院のスタッフまでご相談下さい。