みなさん こんにちは!
長野県塩尻市の鴨居歯科医院・インプラントセンターの歯科医師の川﨑小夜です。
前回のブログで私も子どもの頃歯医者さんに治療に行くのを嫌がる子どもだった、と書きました。そんな私が何故歯科医師になったのかと言いますと、歯科医師である父の跡を継ぐためです。
私には兄がいるのですが、その兄が歯科医師にならなかったので私が跡を継ぐことになったのです。治療を受けることは嫌だったのですが、高校生の頃から父のいる歯科医院で雑用のアルバイトをしていたので父の仕事ぶりや歯科医師という仕事がどんなものなのかはよく見ていたつもりでした。
父のように人に喜んでもらえる、人の役に立てる歯科医師になりたい、と思い歯科大学に進みましたが、歯科医師としての勉強を進めるほどに自分が歯科医師になることへの不安が大きくなりました。父のような偉大な歯科医師になれるのか、自分が歯科医師として働くことで誰かの役に立てるのか、そして自分にとって歯科医師という仕事が本当に向いているのか。
そんな私も何とか5年生に進級し、臨床実習を迎えました。臨床実習とは患者さんの了解を得て担当の先生の指導の下、実際に患者さんの治療にあたらせていただくというものです。臨床実習は点数制で、治療の難度によって点数が決まっており1年間で120点以上分の治療をしないと6年生に進級できないことになっていました。
その時に担当させていただいた患者さんの中に“歯科治療恐怖症”の方がいました。当時歯科大附属病院の診療室は2階にあったのですが、その方は病院の入り口に入ったあたりから動悸・息切れが始まりひどいときは階段が上がれなかったと言います。
私が担当させていただいた時には来院されることにはかなり慣れてきたものの3回に1回は“とりあえずは来たけど気分的に治療は受けたくない”と仰いました。そんな時はその方と全く関係のない話をして過ごしていました。時には大きな声で2人で笑い合い周囲を驚かせることもありました。
その方の治療(その日も無駄話で終わった気がしますが)が終わったある日、私は私達学生を担当する先生に呼び出されてしまいました。その先生は“いつも真っ赤な顔をして怒ってばかりいる”ため学生の間で赤鬼というあだ名がつけられている先生でした。恐る恐る先生の元に向かうと、その先生はただ一言「歯科医師になってもその気持ちを持ち続けなさい。」
とおっしゃいました。
私はその恩師のおかげでこんな私でも歯科医師として人の役に立てるかもしれないと思い直すことができました。
現在、院長先生の下で鴨居歯科医院のスタッフの一員として働かせていただいておりますが院長先生がよく
患者さんに喜んでもらえるようにしなさい。その患者さんの喜びが自分の喜びにかわり、仕事へのやりがいにつながる
とおっしゃいます。
学生時代の恩師の言葉を忘れないように、自分自身がやっぱり歯科医師になってよかったと思えるように、日々患者さんに喜びを追求していきたいと思います!