今日も18項目の続きです。
<認定法5条4号>その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄付その他の特別の利益を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄付その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。
基本的には、昨日お話した3号と同じですね。
要するに3号は法人の内部についての規制で、4号は法人の外部についての規制ということになります。
問題は、「ただし・・・」以降の部分でしょう。
他の公益法人に対する寄付や助成金や補助金の支出だけを目的として存在している公益法人の存在を聞くことがありますが、これはアウトになる可能性が極めて高いですね。
本来であれば、公益法人に対する支出(特別の利益を与える行為)は、そもそも相手方が公益法人であるわけですから、その支出された財産の使い道は公益目的事業ということになるはずです。
ですからセーフのはず。
しかし、「特別の利益」と記載されていることから推察すると、通常の経費の範囲を超えて支出することは許されないと判断すべきでしょう。
<補足>4号但し書きについて
公益法人においては、制限があるものの、収益事業自体は行うことができます。
したがって、単なる「寄付」ではなく、「特定寄付」として、受け取った相手側が、「指定正味財産」として区分する必要があると考えられているようです。
<認定法5条5号>投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること
この規約に関する判断も微妙ですね。
特に前半部分については、要するに財務会計をしっかりやり、役員がきっちり関与し、その中で例えば投資等により資産運用するのであれば許されると解釈されているようですが、微妙ですよねえ。事業を圧迫するようなことがあってはならないことだけは間違いないですけど。
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