いよいよ、昨日からテレビドラマの”特上カバチ”が始まりました。
途中で簡単な法律クイズが入っていたり、法律用語の説明が出てきたりして、法律を身近に感じてもらおうとしている感じがする作りになっていましたね。
ただ、我々行政書士にとってあのドラマがプラスに働くかマイナスに働くかについては、どっちとも言いようがない感じもしました。
非弁法に関して、微妙なところもありましたしねえ。
さて、いずれにしてもあれはドラマであるとはいえ、一般的には耳馴染みのない法律用語が出てきていますから、今後ドラマの中に出てくる法律用語について、当ブログにおいてご説明したいと考えております。
第1話に登場した法律用語では、”債権者代位権(サイケンシャ ダイイケン)を取り上げてみましょう。
八百屋さんに代わって野菜を仕入れてくれているスナックへ住田行政書士が内容証明で行使の予告をしたアレです。
債権者代位権は、民法423条に定められています。
<民法423条>
1.債権者は自己の債権を保全する為に、その債務者に属する権利を行うことができる。
2.債権者はその債権の期限が到来していない場合は、裁判上の代位によらなくてはならない。
1項、2項ともに但し書きがありますが、今日はそこまで説明しなくてもいいでしょうから、省きます。
昨日のドラマで言えば、
1項の”債権者”が、八百屋さんにお金を貸している友人
”債務者”が、八百屋さん。
”債務者に属する権利”というのが、八百屋さんのスナックに対する売掛金。
債権者代位権を行使するための要件は次の通り。
1.債権を保全する必要があること。
⇒これは、債務者の資力が債務の弁済に不十分であることとされています。
(明治39年11月21日の裁判例)
昨日のドラマでも、田村が八百屋さんのことを”無資力”だと
住田行政書士に言ったことが要因となっていましたね。
2.債務者が自己の権利を行使しないこと。
⇒昨日のドラマでは、八百屋さんが相手の都合を考えて売掛金の請求は
できないと言っていました。
3.被保全債権が履行期にあること。
⇒債権者代位権を行使しようとしている債権者の債権の支払時期が
過ぎていることが必要です。
昨日のドラマでは、そもそも口約束でした支払時期の延期が問題となって
いましたが、支払時期の延期が有効であれば、まだ支払時期を過ぎて
いないことになりますから、裁判外において債権者代位権を行使する
ことはできないことになります。
ちなみに被保全債権というのは、昨日のドラマにおける友人の八百屋さん
に対する債権のことです。
要件1と3については、一部例外もあるのですが、一応原則は以上の通りです。
以上が”債権者代位権”に関する大まかな説明になります。
今日、公証役場へ行く際に見かけた張り紙。
近所の方が、糞尿の臭いに悩まされているのかもしれません。
犬と暮らす者として注意したいですね。