行政書士の岩城が、法律のこと、日々の業務のこと、気になるニュースのことについて綴っております。
もちろん、業務に関するお問い合わせもお受けいたしておりますので、お気軽にお問い合わせください。メールによる相談はこちらからお気軽にお問い合わせください。
⇒法務サポート行っております
⇒会計記帳業務行っております
⇒内容証明に関しては全国対応いたします。
▼免責事項
当ブログに掲載されている情報につきましては、万全を期していますが、法改正等による事情の変更により有効な情報でなくなる場合もございます。
当ブログの情報を利用し損害を被られた場合でも、当方は一切責任を負うものではありません。あらかじめご了承いただけるようお願い致します。
  公式ホームページ
  ペットトラブルnet.
「隣家の犬の鳴き声がうるさい。何とかならないのか?」
こういうトラブルはよく耳にしますね。
ここでまず知っておいていただきたいのが、”飼主の責任”に関する一般的なルールです。
民法718条は、
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りではない。
としています。
また、動物愛護管理法7条では、
動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全に努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
としています。
以上のこととからも、犬の飼主さんは、鳴き声で他人に迷惑をかけないように努めなければならないことになります。
さて、「隣の犬の鳴き声がうるさくて迷惑だ」というあなたが取り得る方法は?
やはり、隣近所ですからなるべく穏便に済ますことを考えたいですよね。
ですから、まずは、飼主さんに犬が吠えないような訓練をしていただくよう促すというのがいいのではないかと私は考えます。
また、室内で飼われているようなら、窓を防音窓などにしてもらうというのもいいでしょう。
「飼主さんに話してみたけど全然改善しない!」
こんな時は、行政機関の動物愛護担当職員などに相談してみましょう。彼らなら、犬が鳴かなくなるための方法を知っているでしょうから、いいアドバイスがもらえるかもしれません。
「行政もダメだった!全然改善しない!」
こうなったら、仕方ありません。司法の判断に委ねましょう。
過去の裁判例では、隣家の犬が深夜から早朝にかけて毎晩のように鳴き続けたため、不眠症や精神障害を起こしたとして飼主に対する損害賠償請求が認められた事例もあります。
また、飼主が話し合いに全く応じてくれなかったために訴訟となったという事例もあります。
では、飼主さんが注意すべきことはどんなことでしょう?
隣家の方が取り得る方法から考えれば自ずと答えは出ますね。
毎晩毎晩あなたの飼っている犬が鳴けば、隣家の方々に迷惑をかけているのではないか?と考えてくださいね。
間違っても、鳴いている犬に対して「うるさい!黙れ!」などと怒鳴らないで下さいね。(「あんたのほうが、よっぽどやかましいっての!」)
まずは、犬の訓練士さんなどの専門家などに相談して、犬が鳴く原因を探ってみましょう。
案外、「散歩が足りないことによるストレスだ」というような改善しやすいことが原因だったりするかもしれませんよ。それなら、毎日きちんと散歩してあげればいいだけのことですから。
・・・「何!散歩する暇がない?」
「あなたに犬を飼う資格はありません。しかし、一旦一緒に暮らし始めた以上、最後まで面倒見て下さい。それが飼主の責務ですから。」・・・
鳴く原因が分からなかったり、訓練士さんに相談しても、改善しなかった場合は?
室外で飼っているようなら、防音窓や防音壁にして、夜間だけは室内に入れるなどの措置を講じましょう。(室内で飼っている場合も同じことです)
もし、裁判になった場合には、単に損害賠償するだけで済まない場合もあります。
例えば、犬の飼育の禁止を訴えられたりすることだって無いとは言えません。あなたがいい加減な飼主だと分かれば、裁判所は飼うことを禁止するかもしれません。
そんなことになって一番迷惑を被るのは誰でしょう?
そうです、あなたの大切なワンちゃんです。