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今日は、「うまい話には裏がある」という話です。
J-CASTニュースの記事からになります。

~「敷金・礼金・仲介手数料ゼロ」その裏に潜むとんでもない事態~
「敷金・礼金・仲介手数料・リフォーム費用0円」をうたう不動産会社・スマイルサービスに、家賃を滞納すると無断で鍵を交換され、違約金を支払わされたとして、同社の物件に入居する男性らが同社を提訴する。

提訴した男性の代理人である弁護士によると、このスマイルサービスは、家賃を滞納した際に無断で鍵を交換し、「生存確認出張料」などと称した違約金の支払を請求しているそうで、同社の物件に入居する数名の方々が原告となり、住居侵入・消費者契約法違反・器物損壊などを理由に、同社を相手取って訴訟を起こすことにしたそうです。

1日家賃を滞納しただけで無断で鍵を交換されたり、就寝中に突然部屋に入ってきて違約金を請求されたりというケースがあるそうで、「生存確認出張料」は10500円、それに違約金として家賃の10%を請求されるそうです。

もちろん、大前提として家賃を滞納することは駄目ですね。しかし、客観的にみて、今回のスマイルサービスの行為が社会通念上許されるものではないことも当然ですし、原告団が言っているように、住居侵入罪、消費者契約法違反に当たる可能性は極めて高いと言えます。

スマイルサービス側は、契約書に「施設付鍵利用契約」を結んでいることを盾にしているようですが、何でしょう?この「契約」。正直意味不明ですし、だからといって鍵を勝手に交換していいわけがないですよね。
また、「生存確認出張料」も意味不明ですし、違約金についても消費者契約法に抵触しますね。

私は、学生時代何度か引越しをしましたが、やはり、その度に「礼金・敷金・不動産仲介料」が結構な金額で苦労しました。(じゃあ、引っ越さなければいいのでは?という突っ込みは勘弁して下さい)
要するに「毎月の家賃としては、支払えるけど、契約時に必要な額がきつい」というのは、誰でも経験のあることではないでしょうか?

特に、今回のスマイルサービスの物件に入居する方々の多くが非正規雇用の若者だそうですから、まさに、「毎月の家賃は払えるけど・・・」な方々だと言えます。

それによ~く考えると、「礼金・敷金・仲介料・リフォーム代ゼロ」で、この不動産屋さんは、賃貸物件からどうやって利益を上げていたのでしょう?そう考えれば、今回の意味不明な契約内容も頷けるというものです。

あっ、ちなみにこのスマイルサービスのHPを見ると分かりますが、初期契約料は、「月額利用料(前家賃)+諸費用3万円」となっています。仲介料は全くゼロではなさそうですね。