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今日は、読売新聞の記事からです。
散歩中の他人の愛犬を蹴り殺したとして、愛知県警は15日、名古屋市千種区清住町、会社員男性(44)を器物損壊の容疑で逮捕し、名古屋地検に送検したと発表した。
亡くなった犬は生後4ヶ月のチワワだそうです。
男性が連れていたそのチワワは、蹴り上げられて、内臓破裂のため亡くなったそうです。
また、容疑者の男は、「犬が怖かった」と話しているようです。
私は、この容疑者の「怖かった」には、ちょっと「?」です。もちろん、チワワは小さいから。というような理由ではありません。だって、例えば子供の頃に、犬に追いかけられて怖い思いをしたとか、散歩中の犬に咬みつかれたことがあるというような経験があれば、もしかしたらチワワに吠えられただけでパニック状態に陥ることだって無いとはいえないですから。
ただ、そうであるとすれば、この容疑者の男は、過去に何度も散歩中の犬に遭遇しているでしょうし、チワワよりも大きな大型犬とも遭遇しているはずですから、今回だけ恐怖のあまり蹴り上げたというようなことは無いのでは?と思ってしまうのです。
考えられる可能性は二つあると思われます。
その一つは、飼主さんが犬をけしかけたかもしれないということ。この場合だと、過去に犬に関する怖い経験があれば、咄嗟に蹴り上げてしまう可能性はあると思われます。
もう一つは、単に容疑者の男が犬嫌いで、小さくて力の無いチワワを狙って蹴り上げた。
事件の詳細が記事からは分からないので、軽はずみなことを言うわけにはいきませんが、いずれにしても、被害に遭ったチワワには何の罪も無いことだけは確かです。
今回の事件、「器物損壊で逮捕」となっています。動物を愛する方々からすれば、「物」扱いであることに憤りを感じる方も少なくないでしょう。私は、動物愛護管理法第44条(愛護動物をみだりに殺し、または傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する)を適用すべきと考えております。
ただ、器物損壊罪は、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する」となっていますから、懲役自体は器物損壊罪のほうが重くなっているため、器物損壊罪を適用するほうがいいのかなあと考えられなくもない。
でも、そろそろ動物を「物」ではなく、「生命」として法律上捉えるようにしてもいいのではないでしょうか?これって、物凄く簡単なことだと思うんです。つまり、刑法に「動物虐待の罪」という章を設ければいいだけのことですから。
もし、それが叶わないのなら、せめて動物愛護管理法44条における懲役の上限を器物損壊罪と同じ「3年」に引き上げてもらえないでしょうかねえ。
いつもお読みいただきありがとうございます。
>そいつを後ろから殴って怪我をさせてしまったら
なかなか難しい問題ですね。
まず、判断の分かれ道となるのは、何時殴ったか?ですね。
これは非常に重要な部分となると思われます。
つまり、蹴った男の後を追いかけて殴ったのか?それとも、蹴り上げた瞬間に殴ったのか?で答えが変わります。
前者の場合だと、傷害罪の成立は免れないのは必至です。この場合は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですが、多分本件の場合、執行猶予が付されると思います。
後者の場合は、正当防衛が成立することは必至。したがって、無罪放免となることでしょう。(すいません、正当防衛の構成要件等については、この場では省略させていただきます)
ただし、正当防衛が成立する場合でも、防衛行為が過剰であれば、過剰防衛が成立することになりますが、この場合でも、減軽又は免除することができると規定されていますから、多分、免除されると思われます。
いつも為になる記事をありがとうございます。
もし私がこのチワワンさんのオーナーだとしまして、そいつを後ろから殴って
怪我をさせてしまったら、私は罰金だけですみますか?