”デジタル万引き”って言葉初めて聞きました。
今日は、JCASTニュースというニュースサイトの記事を取り上げてみます。
○○○○がデジタル万引き?テレビで「本をちょっと写メ」発言
この○○○○には、あるグラビアアイドルの名前が入るのですが、一応伏せておくことにします。(まあ、リンクたどれば分かっちゃうけど・・・)
これは、当該グラビアアイドルがテレビ出演した際に、「その本をちょっと写メ撮ったりしていたんですよ。」と発言したことが、所謂「デジタル万引き」に当たるのでは?と話題になっているというものなんですが、「デジタル万引き」って言葉初めて聞きました。
「デジタル万引き」とは、本屋に入って携帯電話のカメラで本の中身を撮ることらしのですが、文化庁の著作権課によると、著作権法第30条の私的複製に当たり、その行為そのものは、違法とは判断できないそうです。
ということは、本来「万引き(=窃盗)」ではないということですから、「デジタル万引き」という造語は、イマイチ当てはまらないことになるのですが・・・。
もちろん、いくら違法ではないと言われていないとしても、出版社や書店にとっては迷惑な話であることに変わりはないわけで、日本雑誌協会などは、マナー違反として、そうした行為をしないようにと訴えているようです。(当たり前ですね)
ただ、文化庁著作権課では、写メで撮ったものを、ネットで流したり複製して販売すれば、著作権法違反になるとしています。
でね、このJCASTニュースってのは、記事に対して読者がコメントを入れることができるのですが、今回のこの件に関するコメントを読んでいると、大きく分けて2種類の意見があるんですよ。
その一つは、「違法ではないんだから、そんなに騒ぐな」というニュアンスのもの。
そしてもう一つは、「違法じゃなければ何やってもいいのか?」というニュアンスのものです。
私は、どちらかと言えば後者の意見に近いのですが、私は今回のグラビアアイドルに関しては、「違法(著作権法違反)である」と考えております。
その根拠を述べる前に、まずは著作権法30条について少々説明いたします。
著作権法30条により、個人的に、又は家庭内やこれに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする場合には、著作物を複製することができることになっています。
この著作権法30条の立法趣旨は、その複製品の使用目的が、職業や何らかの事業に結び付く場合以外を「個人的」と解することにあります。
したがって、先述した文化庁著作権課の「ネットで流したり販売することは著作権法違反」というのは当然ですね。
で、何故私がグラビアアイドルに関しては、著作権法違反だと思っているのか?
実は、私は当該放送を偶然にも見ていました。
その中でグラビアアイドルの先の発言も聞いているのですが、彼女は、本屋さんで写メ撮る対象は、「欲しいもの」とか、「外国のグラビアモデル」などだと話していました。
問題は、この「外国のグラビアモデル」の写真についてです。
彼女は番組内で、「外国のモデルさんのポーズを見て、これいいなあって思ったら写メで撮って保存して自分がグラビアの仕事をする際に役立てている」と言っていました。
どうですか?先の著作権法30条の立法趣旨に照らして考えてみれば、これは明らかに著作権法違反だと思いませんか?
JCASTニュースでは、この辺の発言内容や著作権法についての詳しい記述がなされていないため、ニュースを読んだ方には伝わりにくいとは思いますが、彼女の行為は明らかに著作権法違反であると私は考えています。
それにしても、「デジタル万引き」だって騒がれてからのグラビアアイドル側の言い訳「実際にそういうことをやっていることはありません。」は、見苦しい。
「何かコメントしなきゃいけないと思って咄嗟に言ってしまった」と言ってるけど、そうだとすると「いい加減な人」ってことだし、仮に彼女の言っていたことが事実なら、「モラルの無い人」ということになるわけで、どっちにしてもいい影響は与えないのだから、それなら、事実と認めた上で、「ごめんなさい。勉強不足でした」と言ったほうがよっぽど潔くて今後の為にはなったと思うんですがねえ・・・。
投稿者 iwaki-gyosei
: 2008/07/01 13:26