Q5.法定相続人が取得できる相続分は?
A.これにはいくつかのパターンがあるので
それらをご説明します。
①相続人が「配偶者と子」
それぞれが2分の1ずつ
子が2以上いる時は、2分の1の部分をこの人数で
割ることになります。
②相続人が「配偶者と直系尊属」
配偶者が3分の2
直系尊属が3分の1
この場合も、直系尊属が複数人いれば、その人数で
3分の1の部分を割ることになります。
③相続人が「配偶者と兄弟姉妹」
配偶者が4分の3
兄弟姉妹が4分の1
この場合も、兄弟姉妹が複数人いれば、その人数で
4分の1の部分を割ることになります。
ここがポイント!
兄弟姉妹のうち、父母の一方のみを被相続人と
同じくする兄弟姉妹の場合は、父母の双方を同じ
くする兄弟姉妹の相続分の半分となります。
Q6.法定相続人が不存在の時の相続財産の清算方法は?
A.これについては、Q4においても少々触れましたが、
今日はより詳しくご説明したいと思います。
相続人の存否が明らかでない時は、まず、相続財産を
法人として取扱い、管理人を選定して相続人が出現する
までの間、財産管理を行います。
そして、相続財産管理人を選任したことを2ヶ月間
公告することによって相続人を探します。
この2ヶ月間が経過しても相続人が出現しなかった
時は、管理人は被相続人に対する債権者に対して
一定の期間を定めて債権の申し出をするように公告
することになります。
この債権申出期間後、家庭裁判所では6ヶ月以上の
期間を定めて最後の相続人の捜索を行うことになり
ます。
ここで「我こそは相続人なり!」という方が現れな
ければ、”相続人不存在”となるわけです。
相続人の不存在が確定すると、被相続人の特別縁故者
が、相続財産の分与を受けることができるようになります。
特別縁故者とは、
1.被相続人と生計を同じくしていた人
2.被相続人の療養看護に努めた人
3.被相続人と特別な縁故があった人
に、なります。
つまり、例えば内縁の妻は、法定相続人が存在しない
ときにはじめて相続権を得ることになるのです。
最後に特別縁故者も存在しない時は、相続財産は国庫に
帰属することになります。