ロタウイルスワクチン
ロタウイルスワクチンは、現在 2 種類のワクチン(1 価ロタウイルス生ワクチンおよび 5 価ロタウイルス生ワクチン)が国内において認可されています。
ロタウイルスワクチンの予防接種スケジュール・接種方法
1 価ロタウイルスワクチンは、1 回分(1.5mL)を 6 週齢から初回接種を開始し、4 週以上の間隔をおいて、24 週齢までの間に 2 回経口接種します。
5 価ロタウイルスワクチンは、1 回分(2mL)を 6 週齢から初回接種を開始し、4 週以上の間隔をおいて、32 週齢までの間に 3 回経口接種します。
なお、両ワクチンともに、初回接種は生後 14 週 6 日まで(15 週未満)に行うことが推奨されています。
米国では初回接種の時期をさらに厳密に実施しているようで、生後 15 週と 0 日以上の乳児には接種を開始しないとしています(Red Book 2012 より)。
同時接種を推奨している日本小児科学会では、初回接種を生後 6 週に行うと、別の種類のワクチンを受ける際に、27 日以上の間隔をあけなければならないことから、Hib や小児用肺炎球菌、DPT-IPV ワクチン
など、乳児期に受けるワクチンの接種時期が遅くなることを考慮して、生後 8 〜 14 週を推奨しています。
1価ロタウイルスワクチン
このワクチンは、ロタウイルス胃腸炎患者から分離したヒトロタウイルスを弱毒化し、培養細胞で増殖させて精製した後にシロップ状にした経口生ワクチンです。ヒトのロタウイルス胃腸炎の原因となるロタウイルスには主に 5 つの血清型(G1、G2、G3、G4、G9)がありますが、1価ロタウイルスワクチンはロタウイルスの中で最も一般的な G1 中和抗原を発現する、ヒトロタウイルス(A群ロタウイルス G1P[8])ワクチンですが、ヒト由来ロタウイルスを弱毒化したワクチンのため、交叉免疫によって G1 以外の血清型(G2、G3、G4、G9)に対しても予防効果を発揮します。
5価ロタウイルスワクチン
5 価ロタウイルスワクチンは、世界中で検出されている主要なヒトロタウイルス(G1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]、G9P[8])の 5 種類を考慮し、5 つの中和抗原(G1、G2、G3、G4、P1A[8])をそれぞれ発現するヒト−ウシロタウイルス再集合体を含む経口弱毒生ワクチンです。
ロタウイルスに対する自然感染を繰り返すことにより、ロタウイルス胃腸炎に対する免疫応答を獲得しますが、初回感染時の血清型とその後の感染時の血清型がおおむね異なること、地域および継時的に流行する血清型が異なることを考慮し、多価ロタウイルスワクチン(5 種類の中和抗原を含む5価ロタウイルスワクチン)として開発されました。
http://www.wakutin.or.jp/medical/index.html