マダニに咬まれた方が、来院されました。
アウトドアシーズンになりますので、山林に入るときには注意しましょう。
●ダニに刺されたら
ダニに刺されても、痛みや痒みはあまりなく、気づかないことが多いようです。
野外活動後の入浴時などに、体にダニが咬着していないかどうかを確認してください。
ツツガムシ類は小さくて見つけにくいため、よく体を洗って付着した幼虫を落としましょう。
マダニ類に刺されてしまった場合は、できるだけ病院で処置してもらってください。
刺されてからしばらくして(数日~2週間程度)発熱・発疹などの症状が出た場合には、病院を受診し、ダニに刺されたことを告げましょう。
●日本国内の主なダニ媒介性疾患
①つつが虫病
病原体:つつが虫病リケッチア(Orientia tsutsugamushi)
媒介ダニ:アカツツガムシ属(アカツツガムシ、フトゲツツガムシおよびタテツツガムシ)
症状:発熱、発疹、リンパ節の腫脹など
特徴など:全国的(北海道等一部地域を除く)にみられ、富山県内でも例年数名の患者報告があり、春季(4~6月)と秋季(10~12上旬)、とくに秋季に多く見られます。人から人にはうつりません。ダニに刺されても、痛みや痒みはあまりなく、気づかないことが多いようです。
②ライム病
病原体:ボレリア属細菌(Borrelia burgdorferi 等)
媒介ダニ:マダニ属(主としてシュルツェマダニ)
症状:初期には遊走性紅斑、筋肉痛、関節痛、頭痛、悪寒など風邪様の症状
特徴など:北海道や本州中部以北での発生が主。
③日本紅斑熱
病原体:日本紅斑熱リケッチア(Rickettsia japonica)
媒介ダニ:マダニ類(キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマアラシチマダニなど)
症状:高熱、斑丘疹など
特徴など:主として西日本で患者の発生がみられ、国内で年間100名程の患者が確認されています。
④重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。
2013年1月、重症熱性血小板減少症候群の患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されました。その後、過去にさかのぼって調査した結果、2005年から2012年までの間にさらに10名の方が重症熱性血小板減少症候群にかかっていたことが確認されました。また、2013年の春以降も患者の発生が報告されており、2013年8月26日までに確認された患者の数は28名です。
有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法が主体になります。