内科・外科・小児科 安曇野市 穂高ハートクリニックのスタッフブログ
HHCブログ
安曇野市 内科・外科・小児科 穂高ハートクリニックでは、
平成27年6月28日(日)
休日当番医として9時から17時まで診療を行います。
お気軽にご利用してください。
嘔吐・下痢のウイルス性感染性胃腸炎
発熱・咽頭痛の溶連菌感染症、ヘルパンギーナ
夏風邪
の方々が多い印象でした。
感染症発生動向調査情報 松本保健福祉事務所
平成27年6月15日-6月21日 第25週
小児科10定点
RSウイルス感染症 0
咽頭結膜熱 2
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 27
感染性胃腸炎 108
水痘 12
手足口病 3
伝染性紅斑 20
突発性発疹症 10
百日咳 0
ヘルパンギーナ 0
流行性耳下腺炎 1
インフルエンザ内科・小児科16定点
インフルエンザ0名(長野県内では27例 長野、佐久で多い傾向)。
基幹病院1定点
マイコプラスマ肺炎 3例
長野県感染症情報 (2015年(平成27年)第25週)
感染症発生動向調査情報 松本保健福祉事務所
平成27年6月8日-6月14日 第24週
小児科10定点
RSウイルス感染症 0
咽頭結膜熱 2
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 43
感染性胃腸炎 180
水痘 2
手足口病 0
伝染性紅斑 13
突発性発疹症 4
百日咳 0
ヘルパンギーナ 4
流行性耳下腺炎 1
インフルエンザ内科・小児科16定点
インフルエンザ0名(長野県内では7例)。
基幹病院1定点
マイコプラスマ肺炎 1例
長野県感染症情報 (2015年(平成27年)第24週)
小児に対するワクチンの筋肉内接種法について
2015年5月18日 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会
現在、日本のワクチン接種は、一部を除いて、原則皮下接種である。これは、1970年代に解熱薬や抗菌薬の筋肉内注射によって、約3,600名の大腿四頭筋拘縮症の患者の報告があったため、それ以降、筋肉内注射による医薬品の投与は、避けられる傾向にあった。その報告では、筋拘縮症の要因として、薬剤のpHの低い、浸透圧の高い解熱薬や抗菌薬の頻回投与(特に両薬剤の混注)との関連を指摘しており、ワクチン(ほぼpHはほぼ中性で、浸透圧は生理的なものに近い)接種との関連には言及していない。
一方、海外においては、生ワクチンを除く多くのワクチンは、原則筋肉内接種で行われている。
複数ワクチンを同時に接種する場合、または新しい混合ワクチン、アジュバントを含んだワクチンは、筋肉内接種が標準的接種法となっている。その理由は、筋肉内接種が皮下接種に比べ、局所反応が少なく、また、免疫原性は同等か、それ以上であることが知られているからである,。
今後、国内でも筋肉内接種を標準的接種法とするワクチンが導入され、筋肉内接種の機会は増加していくことが予想される。
I.
筋肉内接種の接種方法
標準的な接種部位
①1歳未満
大腿前外側部に接種する。接種する筋肉は外側広筋で、中央1/3がその接種部位である。
②1歳以上、2歳未満
1歳未満児と同様、大腿前外側部
または、上腕三角筋中央部に接種する。
③2歳以上上腕三角筋中央部に接種する。
注意事項:
臀部は、筋肉の容積が小さく、脂肪組織や神経組織が多く、更には、坐骨神経損傷の可能性があるので、適切なワクチン接種部位ではない
日本アレルギー学会など世界10団体は6月10日、ピーナッツアレルギー予防に関するコンセンサスステートメントを発表した。乳児の離乳時期になるべく早くピーナッツを摂取する方が有益とのエビデンスを紹介し、早期摂取への理解を求めている。同学会はステートメントの全文と日本語の要約をホームページに掲載しており、日本での積極的な早期摂取については「これからの研究課題」との見解を示している。
ステートメントを発したのは、日本や米国、豪州、欧州、カナダ、イスラエルなど10の団体。日本語要約によると、ステートメントでは乳児の離乳時期のピーナッツ摂取を、遅くではなく早く開始する方が有益と示すエビデンスを紹介している。
その1つとして掲げた、ハイリスク乳児に対するピーナッツ摂取のランダム化比較試験「LEAPスタディー」では、4-11カ月児の頃にピーナッツ摂取を始めると絶対的値で11-25%のピーナッツアレルギーが減少、相対的には80%減少したとの結果が示された。同ステートメントの目的は、これらの結果を考慮した上でピーナッツ早期摂取による利益に対する医療関係者の理解を促進させることにあるという。
ただし、日本アレルギー学会は日本語要約の注釈で、アトピー性皮膚炎がある場合は家庭のほこり1gあたりのピーナッツ蛋白量が16μgを超えるとピーナッツアレルギーの発症リスクが高まるとの報告に言及し、「日本で離乳早期にピーナッツを積極的に摂取すべきかどうかは、これからの研究課題」と付記している。
【コンセンサスステートメントを発した10の学会・団体】
米国喘息アレルギー・免疫学会(AAAAI)
米国小児科学会(AAP)
米国アレルギー・喘息・免疫カレッジ(ACAAI)
豪州臨床免疫・アレルギー学会(ASCIA)
カナダアレルギー・臨床免疫学会(CSACI)
欧州アレルギー・臨床免疫学会(EAACI)
イスラエルアレルギー・臨床免疫協会(IAACI)
日本アレルギー学会(JSA)
小児皮膚科学会(SPD)
世界アレルギー機構(WAO)
電子カルテ営業本部から緊急連絡がありました。
Windows7、8.1 環境での
Windows10 へのアップグレードについて
拝啓 貴院におかれましては、時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、Windows7、8、8.1 のインターネット接続環境端末で Windows Update を自動更新に設定している場合、Microsoft より「Windows10 への無料アップグレード予約」という通知アイコンが自動表示されます。
しかし、Windows10 では ORCA 動作未検証となっており、現状、動作保証されておりません。
つきましては、大変お手数をおかけいたしますが、下記の内容をご確認いただき、必要に応じて作業を行っていただきますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
敬具
記
■ 対象となる環境
Windows Update を自動更新に設定している Windows クライアント機のうち、Windowsのバージョンが以下の環境
Windows7
Windows8.1
■ 対応方法
「Windows10 を入手する」という通知アイコンが自動表示されますが、「Windows10 を入手する」を絶対クリックしない様にお願いします。
既に Windows10 への無償アップグレード予約をしてしまった場合は、次ページ以降の「資料① Windows10 入手アプリで無償アップグレード予約を取り消す方法(参考手順)」、
「資料② Windows10 アップグレードの予約アイコンを消す方法」をご参照のうえ、予約取り消し作業をお願いいたします。
■ 注意事項
次ページの「資料① Windows10 入手アプリで無償アップグレード予約を取り消す方法(参考手順)」でも、取り消せない場合があります。
以上
【本件に関するお問い合わせ】
担当:営業本部
マダニに咬まれた方が、来院されました。
アウトドアシーズンになりますので、山林に入るときには注意しましょう。
●ダニに刺されたら
ダニに刺されても、痛みや痒みはあまりなく、気づかないことが多いようです。
野外活動後の入浴時などに、体にダニが咬着していないかどうかを確認してください。
ツツガムシ類は小さくて見つけにくいため、よく体を洗って付着した幼虫を落としましょう。
マダニ類に刺されてしまった場合は、できるだけ病院で処置してもらってください。
刺されてからしばらくして(数日~2週間程度)発熱・発疹などの症状が出た場合には、病院を受診し、ダニに刺されたことを告げましょう。
●日本国内の主なダニ媒介性疾患
①つつが虫病
病原体:つつが虫病リケッチア(Orientia tsutsugamushi)
媒介ダニ:アカツツガムシ属(アカツツガムシ、フトゲツツガムシおよびタテツツガムシ)
症状:発熱、発疹、リンパ節の腫脹など
特徴など:全国的(北海道等一部地域を除く)にみられ、富山県内でも例年数名の患者報告があり、春季(4~6月)と秋季(10~12上旬)、とくに秋季に多く見られます。人から人にはうつりません。ダニに刺されても、痛みや痒みはあまりなく、気づかないことが多いようです。
②ライム病
病原体:ボレリア属細菌(Borrelia burgdorferi 等)
媒介ダニ:マダニ属(主としてシュルツェマダニ)
症状:初期には遊走性紅斑、筋肉痛、関節痛、頭痛、悪寒など風邪様の症状
特徴など:北海道や本州中部以北での発生が主。
③日本紅斑熱
病原体:日本紅斑熱リケッチア(Rickettsia japonica)
媒介ダニ:マダニ類(キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマアラシチマダニなど)
症状:高熱、斑丘疹など
特徴など:主として西日本で患者の発生がみられ、国内で年間100名程の患者が確認されています。
④重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。
2013年1月、重症熱性血小板減少症候群の患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されました。その後、過去にさかのぼって調査した結果、2005年から2012年までの間にさらに10名の方が重症熱性血小板減少症候群にかかっていたことが確認されました。また、2013年の春以降も患者の発生が報告されており、2013年8月26日までに確認された患者の数は28名です。
有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法が主体になります。
労働安全衛生法、
定期健康診断全項目 8640円
検査対象者: 35歳および40歳以上労働検診
検査項目:
身長 体脂肪率 BMI 腹囲
体重 肥満度
視力
聴力(オージオ) 1000Hz 4000Hz
血圧
尿検査(尿糖・尿蛋白)
胸部XP
心電図(12誘導)
貧血検査(赤血球・血色素量)
肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
脂質検査(HDL-コレステロール・TG・LDL-コレステロール)
糖検査(空腹時血糖値)又はHbA1c
内科診察
料金:
初診再診料2820円
検査料 6610円
画像診断料1250円
院内文書料3240円(院外文書料5400円)
合計 13920円のところ、セット価格でで8640円(消費税込み)
5280円(37.9%)割引です。
労働安全衛生法、
定期健康診断省略コース 5400円
検査対象者34歳以下および36歳~39歳 労働検診省略コース
検査項目
身長 体脂肪率 BMI
体重 肥満度
視力
聴力(オージオ)1000Hz 4000Hz
血圧
尿検査(尿糖・尿蛋白)
胸部XP
内科診察
初診再診料2820円
検査料 3800円
画像診断料 1250円
院内文書料 3240円(院外文書料5400円)
合計11110円のところ、セット価格で5400円(消費税込み)です。
5710円(51.4%)割引でです。
第一生命保険の審査を受けられる方へ
平成27年6月11日(木) 第一生命保険株式会社 契約医務部からの申し出により、個人情報保護の観点から第一生命審査を受けられる方の検査データを含め個人情報のすべて(氏名、年齢、生年月日、住所、連絡先等)を電子カルテ上に残さない様にいたします。(カルテ診療記録を作成いたしません。)
そのため、今後、検査データ等に関する個別のお問い合わせには一切対応できかねます。宜しくお願い申し上げます。
検査データ等保存を希望される方、カルテ作成を希望される方は、別に申し出て下さいます様お願いいたします。個別に対応いたします。
平成27年6月11日(木) 穂高ハートクリニック
感染症発生動向調査情報 松本保健福祉事務所
平成27年6月1日-6月7日 第23週
小児科10定点
感染性胃腸炎136名、溶連菌感染症20名、手足口病3名、伝染性紅斑(リンゴ病)9名、突発性発疹症5名の報告があります。
RSウイルス感染症 0
咽頭結膜熱 1
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 20
感染性胃腸炎 136
水痘 9
手足口病 3
伝染性紅斑 9
突発性発疹症 5
百日咳 0
ヘルパンギーナ 0
流行性耳下腺炎 0
インフルエンザ内科・小児科16定点、眼科3定点
インフルエンザ0名。
インフルエンザは終息した様子ですね。
溶連菌感染症について
A群溶血性レンサ球菌は、上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられるグラム陽性菌で、菌の侵入部位や組織によって多彩な臨床症状を引き起こす。日常よくみられる疾患として、急性咽頭炎の他、膿痂疹、蜂巣織炎、あるいは特殊な病型として猩紅熱がある。これら以外にも中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こす。また、菌の直接の作用でなく、免疫学的機序を介して、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことが知られている。
通常、患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多い。感染性は急性期にもっとも強く、その後徐々に減弱する。急性期の感染率については兄弟での間が最も高率で、25%と報告されている。
臨床症状
潜伏期は2~5日であるが、潜伏期での感染性については不明である。突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症し、しばしば嘔吐を伴う。咽頭壁は浮腫状で扁桃は浸出を伴い、軟口蓋の小点状出血あるいは苺舌(写真1)がみられることがある。
猩紅熱の場合、発熱開始後12 ~24 時間すると点状紅斑様、日焼け様の皮疹が出現する(写真2)。針頭大の皮疹により、皮膚に紙ヤスリ様の手触りを与える(sandpaper rash )ことがある。特に腋窩、ソケイ部など皮膚のしわの部分に多く、これに沿って線が入っているようにみえる(Pastia's sign )こともある。顔面では通常このような皮疹は見られず、額と頬が紅潮し、口の周りのみ蒼白にみえる(口囲蒼白)ことが特徴的である(写真2)。また、舌の変化として、発症早期には白苔に覆われた舌(white strawberry tongue )がみられ、その後白苔が剥離して苺舌(red strawberry tongue )となる。1週目の終わり頃から顔面より皮膚の膜様落屑が始まり、3週目までに全身に広がる。
合併症として、肺炎、髄膜炎、敗血症などの化膿性疾患、あるいはリウマチ熱、急性糸球体腎炎などの非化膿性疾患を生ずることもある。
治療にはペニシリン系薬剤が第1選択薬であるが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応となり、また第1世代のセフェムも使用可能である。いずれの薬剤もリウマチ熱、急性糸球体腎炎など非化膿性の合併症予防のために、少なくとも10日間は確実に投与することが必要である。除菌が思わしくない例では、クリンダマイシン、アモキシシリン/クラブラン酸、あるいは第2世代以降のセフェム剤も使用される。
予防としては、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい、手洗いなどの一般的な予防法も励行する。接触者に対する対応としては、集団発生などの特殊な状況では接触者の咽頭培養を行い、陽性であれば治療を行う。
学校保健法での取り扱い
本疾患は学校において予防すべき伝染病の中には明確に規定はされておらず、「学校で流行がおこった場合にその流行を防ぐため、必要があれば、学校長が学校医の意見を聞き、第3種学校伝染病としての措置を講じることができる疾患」のうち、「条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる伝染病」のひとつとして例示されている。しかしながら、本疾患は適切な抗生剤治療が行われれば、ほとんどの場合24時間以内に他人への伝染を防げる程度に病原菌を抑制できることもあり、登校登園については、流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって判断すべきであると考えられる。
手足口病について 国立感染症研究所感染症情報センター
手足口病(hand, foot and mouth disease:HFMD)は、その名が示すとおり、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症で、幼児を中心に夏季に流行が見られる。
コクサッキーA16(CA16)、CA10、エンテロウイルス71(EV71)などのエンテロウイルスによりおこり、基本的に予後は良好な疾患である。
4歳位までの幼児を中心とした疾患であり、2歳以下が半数を占めるが、学童でも流行的発生がみられることがある。また、学童以上の年齢層の大半は既にこれらのウイルスの感染(不顕性感染も含む)を受けている場合が多いので、成人での発症はあまり多くない。
感染症発生動向調査によると、国内における手足口病流行のピークは夏季であるが、秋から冬にかけても多少の発生が見られる。
病原体
CA16、CA10、EV71などのエンテロウイルスが病因となる。ヒト-ヒト伝播は主として咽頭から排泄されるウイルスによる飛沫感染でおこるが、便中に排泄されたウイルスによる経口感染、水疱内容物からの感染などがありうる。便中へのウイルスの排泄は長期間にわたり、症状が消失した患者も2~4週間にわたり感染源になりうる。腸管で増殖したウイルスが血行性に中枢神経系(特にEV71)、心臓(特にCA16)などに到達すると、それらの臓器の症状を起こしうる。いちどHFMDを発病すると、その病因ウイルスに対しての免疫は成立するが、他のウイルスによるHFMDを起こすことは免れない。
臨床症状
3~5日の潜伏期をおいて、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹が出現する。時に肘、膝、臀部などにも出現することもある。
口腔粘膜では小潰瘍を形成することもある。発熱は約1/3に見られるが軽度であり、38℃以下のことがほとんどである。通常は3~7日の経過で消退し、水疱が痂皮を形成することはない。
稀には髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系合併症の他、心筋炎、AFPなどを生ずることもある。特に、EV71による場合には、中枢神経系合併症に注意する必要がある。
治療・予防
特別な治療を要しないことがほとんどである。発疹にかゆみなどを伴うことは稀であり、抗ヒスタミン剤の塗布を行うことはあるが、副腎皮質ステロイド剤などの必要はない。口腔内病変に対しては、刺激にならないよう柔かめで薄味の食べ物を勧めるが、何よりも水分不足にならないようにすることが最も重要である。薄いお茶類、スポーツ飲料などで水分を少量頻回に与えるよう努める。ときには経静脈的補液も必要となる。
発熱に対しては通常解熱剤なしで経過観察が可能である。抗生剤の投与は意味がない。しかし、元気がない、頭痛、嘔吐、高熱、2日以上続く発熱などの場合には髄膜炎、脳炎などへの進展を注意する。合併症を生じた場合の特異的な治療法は確立されていない。
予防としては患者に近づかない、手洗いの励行などである。患者あるいは回復者に対しても、特に排便後の手洗いを徹底させる。手足口病の原因ウイルスに対するワクチンは開発されていない。
学校保健法での取り扱い
手足口病は、学校で予防すべき伝染病1~3種に含まれていない。本文中に示した通り、主症状から回復した後もウイルスは長期にわたって排泄されることがあるので、急性期のみ登校登園停止を行って、学校・幼稚園・保育園などでの流行阻止をねらっても、効果はあまり期待ができない。本症の大部分は軽症疾患であり、脱水および合併症、ことに髄膜炎・脳炎などについて注意がおよんでいれば、集団としての問題は少ないため、発疹だけの患児に長期の欠席を強いる必要はなく、また現実的ではない。
通常の流行状況での登校登園の問題については、流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって判断すればよいと考えられる。
感染症発生動向調査情報 松本保健福祉事務所
平成27年5月25日-5月31日 第22週
小児科10定点
感染性胃腸炎130名、溶連菌感染症44名、伝染性紅斑(リンゴ病)17名の報告があります。
内科・小児科16定点
インフルエンザ10名の報告があります。
引き続き、マスク、手洗い等で予防しましょう。
平成27年度インフルエンザHAワクチン製造株が決定しました。
インフルエンザワクチン株
2015/2016冬シーズンはいよいよ4価ワクチンが導入されます。
A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
A/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
B/プーケット/3073/2013(山形系統)
B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)
9月末、流通が始まるようです。
=====参考=====
2014/2015冬シーズン インフルエンザ3価ワクチン
A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
A/New York(ニューヨーク)/39/2012(X-233A)(H3N2)
B/Massachusetts(マサチュセッツ)/2/2012(BX-51B)
日本でも、現在、4価ワクチン、細胞培養インフルエンザワクチン導入の検討がされていました。
アメリカでは、
インフルエンザ3価ワクチン(注射) A型2種類+B型1種類
インフルエンザ4価ワクチン(注射) A型2種類+B型2種類
フルミスト(4価ワクチン、点鼻、生ワクチン) A型2種類+B型2種類
の3種類が販売されており、
それぞれワクチンの価格、接種料金が違い、希望するワクチンを選んで接種しているとのことでした。
日本でもいよいよ4価ワクチンが導入されることとなりました。(値段は若干、上昇するかもしれません。日本ではアメリカのような低価格の3価ワクチンの製造は無いようです。)
中東呼吸器症候群(MERS) 国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/2686-mers.html
現在国内では発生はありません。
現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はありません。患者の症状に応じた治療(対症療法)になります。
感染が疑われる患者の要件
患者が次のア、イ又はウに該当し、かつ、他の感染症又は他の病因によることが明らかでない場合、中東呼吸器症候群への感染が疑われるので、中東呼吸器症候群を鑑別診断に入れる。ただし、必ずしも次の要件に限定されるものではない。
ア
38℃以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状を呈し、臨床的又は放射線学的に肺炎、ARDSなどの実質性肺病変が疑われる者であって、発症前14日以内にWHOの公表内容から中東呼吸器症候群の初発例の発生が確認されている地域に渡航又は居住していたもの
イ
発熱を伴う急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、発症前14日以内にWHOの公表内容から中東呼吸器症候群の初発例の発生が確認されている地域において、医療機関を受診若しくは訪問したもの、中東呼吸器症候群であることが確定した者との接触歴があるもの又はヒトコブラクダとの濃厚接触歴があるもの
ウ
発熱又は急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、発症前14日以内に、中東呼吸器症候群が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していたもの、中東呼吸器症候群が疑われる患者と同居していたもの又は中東呼吸器症候群が疑われる患者の気道分泌液若しくは体液等の汚染物質に直接触れたもの
肥満症患者向けに、体重を減らすこと、減量を保つことを補助する目的で処方される医薬品ゼニカル(ロシュ社)に関するお問い合わせがありました。
ゼニカルとサノレックスを比較すると大きな違いがあります。サノレックスは神経に働きかけて食欲を無くす作用を果たしますが、ゼニカルは摂取した脂肪分を身体に約30%吸収させない働きがあります。
サノレックスが日本で認可されている薬ですが、ゼニカルは不認可の薬になります。ただしサノレックスに関しては保険適用になる薬ですが、処方には制限があるため欲しいからと言って、一定の基準(食事療法、運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度+70%以上、又はBMI35以上)における食事療法、運動療法の補助)を満たしていない患者に対しては処方はされない薬です。
ゼニカル(オーリスタット)は国内未承認薬のため、当院では取り扱っていません。個人輸入・販売を行っている業者があるようです。
長野県では、風しんの流行と先天性風しん症候群の発生を防ぐために、風しん抗体検査を無料で実施しています。
風しんは、発疹・発熱・リンパ節の腫れが特徴の感染症ですが妊娠中、特に妊娠初期に風しんにかかると、お腹の赤ちゃんに感染して、赤ちゃんの耳、目、心臓などに障がいを引き起こすこと(先天性風しん症候群)があります。
これから妊娠を希望される方は、将来の赤ちゃんを先天性風しん症候群から守るために、風しん抗体検査を受けて免疫の有無を確認しましょう。
検査の結果、免疫力が十分にないことが分かった方は、この機会にぜひ、
風しんワクチンの接種を検討しましょう!
県内の保健所(保健福祉事務所)で、風しんの抗体検査を無料で受けることができます。
http://www.pref.nagano.lg.jp/hoken-shippei/kenko/kenko/kansensho/joho/documents/h27tirashi.pdf
安曇野市医師会 平成27年定時総会役員選出にて、理事の末席に名前を連ねることになりました。
高橋会長、武井副会長、中島常務理事の下、若輩でありますが、微力ながら地域の皆様のお役に立つよう努力して参る所存です。
今後ともご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。
穂高ハートクリニック
診療科目:内科、外科、小児科
診察内容:
心臓血管病、ワーファリンケア、
生活習慣病、メタボリックシンドローム
(高血圧,高脂血症,糖尿病,高尿酸血症)
特定検診
予防接種
このブログでは、医院からのお知らせや院長のコラムなどをお届けします。