内科・外科・小児科 安曇野市 穂高ハートクリニックのスタッフブログ
RSウイルス患者急増、過去10年で最速
2012/10/1 21:53 日本経済新聞 電子版
乳幼児を中心に例年冬場に流行するRSウイルス感染症の患者が今年は早くも急増している。9月中旬の全国の患者は前年同時期の2.7倍で、過去10年で最速ペースで拡大中。感染力が強く、乳児や心疾患などを持つ小児の場合、肺炎など重症化する恐れもある。医療関係者は早めの受診や手洗いなどの対策徹底を呼び掛けている。
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RSウイルス感染症は、重症化しやすく、急性細気管支炎や肺炎から呼吸不全を引き起こした場合には入院が必要となります。従来は入院時にRSウイルス迅速診断キットでの診断が保険適応となります。
RSウイルス感染症は、2歳までにほぼ100%のお子様がかかり、一般のお子様にはいわゆる特効薬がないため、症状を緩和させる対症療法になります。
マスク、手洗いで、しっかり予防しましょう。
平成23年10月17日、RS迅速診断キットが外来でも保険適応になったと厚労省からの通知がありました。
保険適応範囲ですが、次のようになっています。
①.入院中の患者・・・・・従来通り
②.乳児・・・・・0歳児
③.パリビズマブ製剤(商品名:シナジス)の適用となる患者
小児科外来診療料を地方社会保険事務局長に対し届け出た保険医療機関では、3歳未満のすべてのお子さんには感染症免疫学的検査料1500円+検体検査判断料1440円、計2940円が算定できないため、外来でのRS迅速診断は現実的ではないと考えても良さそうですね。
RSウイルス感染症で重症化を来たし、入院目的で病院紹介の際に、入院時検査としてRSを検査するのが適当であると考えます。(・・・・・RSウイルス感染症が全て重症化するわけではありませんが、結果として、重症の肺炎で入院患者からRSウイルスが陽性になります。・・・・・)
RSウイルス感染症の重症化を防ぐ有効な手段であるシナジス投与ですが、保険適応となる対象が決まっています。
シナジス(抗ウイルス剤 アボットジャパン株)
保険薬価50mg 7万6819円 100mg 15万2072円
RSウイルス感染流行初期において、
1).在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児、
2).在胎期間29週~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児、
3).過去6カ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児、
4).24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児及び幼児。
に対する投与が保険適応となる。
体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に15mg/kg投与する。・・・・・10kgで150mg=22万8891円の薬価となります。
保険適応とならない場合は、経済的に投与がほぼ不可能となります。保険適応、価格等さまざまな課題があります。
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