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2011/06/04 21:44 | 印刷

空間放射線、独自に測る動き 県内18市町村
06月04日(土) 信濃毎日新聞


 東京電力福島第1原発の事故を受け、長野県内18市町村が空間放射線の測定機器を導入したり、導入を決めたりしたことが3日、全77市町村への取材で分かった。ほかに15市町村が導入を検討している。県が長野市と松本市で毎日測定している空間放射線量は、3月16日を最後に事故以前の最大値を超えたことはなく、県環境部は「健康に影響のない値」とする。だが、放射能に対する住民の不安の声が少なくないとして、導入を決めたところが目立っている。

 市町村担当者に、運用面の課題などと併せて聞いた。

 導入済みは松本、飯田、飯山3市と北佐久郡軽井沢町、諏訪郡富士見町の2町=地図。松本市は市職員、軽井沢町は町立病院の診療放射線科技師が測定し、結果を毎日ホームページで公表している。富士見町は測定、公表の方法を検討中とし、飯田市と飯山市は「事態が深刻化した場合の備え」のため、現在は測定していない。

 小諸、伊那、中野、大町、茅野、安曇野6市と上伊那郡辰野町、東筑摩郡山形村など7町村は、導入を決めて機器を発注するなどした。ほかに長野、諏訪、駒ケ根、千曲、東御5市と木曽郡木曽町など10町村が導入を検討している。

 理由については「村内の放射線量がどのくらいか不安視する村民の声が多数、村長へ寄せられたため」(山形村)、「市民に安心してもらうために必要」(松本市)、「県だけの調査で住民が安心できるかというと、そうではない」(検討中の埴科郡坂城町)などの声が出た。

 導入を予定していないのは44市町村。県や近隣自治体が測定しており、独自に行う必要性が低いとの理由が多く、「原発から300キロも離れた長野県で調べる意味があるのか」(下伊那郡阿智村)との意見もあった。

 県は長野市で常時、松本市で1日2回(土日祝日は1回)、空間放射線量を測定して結果をホームページで公表。伊那市や中野市など8地点でも月1回測定している。

 一方、水道水や下水道汚泥に含まれる放射性物質などの検査を、検査機関などに独自に依頼したことがあるのは21市町村。水道水については、松本市と塩尻市が月1回、県外の検査機関で検査しているほか、諏訪市も6月から月1回の検査を始める。


松本市における空間放射線量測定結果について

 松本市では、簡易測定機器を用いて、市内各所で空間放射線量測定を実施しています。 
 5月31日から小学校での測定を開始しました。4校で週1回の測定を実施します。大きな変化が見られる場合には、測定地点を増やすなど監視を強化します。

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