インフル 3か月で12タイプ
NHKニュース 4月26日 8時2分
おととしから去年にかけて、世界的な大流行を引き起こしたインフルエンザのウイルスは、国内の流行がピークとなった3か月余りの間に遺伝子の変異を繰り返し、少なくとも12のタイプを新たに生み出していたことが理化学研究所の研究で分かりました。
横浜市にある理化学研究所の研究グループは、おととしから去年にかけて世界的な大流行を引き起こしたインフルエンザの性質を調べるため、関東と関西の患者250人余りから検出されたウイルスを分析しました。その結果、ウイルスは国内の流行がピークとなったおととし10月から去年1月までの3か月余りの間に遺伝子の変異を繰り返し、少なくとも12のタイプを新たに生み出していたことが分かりました。変異はこれまでの推定の2倍の速さで起きていて、中には、免疫の働きや治療薬「タミフル」の効果が現れにくい遺伝子配列に変わったウイルスもあったということです。研究グループではこうしたウイルスの性質によって、流行が急速に拡大し、国内で合わせて2000万人以上が感染したのではないかとみています。理化学研究所の石川智久上級研究員は「大流行したインフルエンザのウイルスは、薬への耐性もすぐに出るので、薬を適切に選択しないと、患者が重症化するおそれがある。引き続き遺伝子の変異について注意深く観察する必要がある」と話しています。
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例えばインフルエンザA型に分類される中にも、香港A、ソ連A、新型などなど、サブタイプがあります。タイプが変わると複数回、同じA型にかかる人も出てきます。
A型のインフルエンザウイルスは、HAとNAの変異が多く、HAで16種、NAで9種類の大きな変異がこれまでに確認されています。これらの様々な組み合わせで亜種が生まれます。ソ連型(H1N1)や香港型(H3N2)などがそうです。
流行する時期も、11月下旬頃からインフルエンザA型が流行し出し、3月中旬になるとインフルエンザB型が流行しだします。インフルエンザA型にかかったあと、インフルエンザB型にかかってしまう場合もあります。
参考:皆で防ごうインフルエンザ