内科・外科・小児科 安曇野市 穂高ハートクリニックのスタッフブログ
HHCブログ
育児用コナミルクをミネラルウォータで調乳するのはやめてください。
明治乳業 ほほえみクラブ
牛乳をベースにした人工栄養は、牛乳を薄めることから始まりました。これはヒトの乳に比べて牛乳のたんぱく質とミネラルが多かったことへの対応でした。大変発育の早い赤ちゃんにとって、骨や身体を作り上げていく上でミネラルは大切な成分です。しかし過剰に摂ったミネラルは、赤ちゃんの未熟な腎臓を通して体外へ排泄されなければなりません。しかし赤ちゃんの腎臓は未熟で、大人のように濃いオシッコを作ることができません。腎濃縮力が大人の半分、つまり、余分に摂った不要のミネラルを体外に排泄するのに、大人の倍量の水が必要なのです。
ミルクだけを飲んでいる赤ちゃんを例にとり説明してみましょう。赤ちゃんが摂る水の量は、調乳時に使った水と、調乳液中の脂肪や炭水化物、場合によってはたんぱく質が体内で燃えてエネルギー源になった時に生じる水を合計したものです(おおよそ調乳液の出来上がり量と思って大差ありません)。一方体外に出ていく水は、オシッコとして出ていく水の他に、呼気中の水分や汗というものを考えておかねばなりません。
ミネラルの多い濃いミルクを与えられていた時代には、オシッコとして使わなければならない水の量が多かったために、気温が高く、汗としてあるいは呼気中に出ていく水の量が増える夏季などには、水不足を起こし、発熱する例が見られました。そのものズバリ、「夏季熱」と呼ばれました。現在のミルクでは、電気透析などの技術によって、母乳のミネラルバランスを参考にしながら、ミネラルを十分減らし、「予備水分量」が十分確保されていますので、このような心配はまずありません。
ところで最近水に対する関心が大変高まり、コナミルクを"ミネラルウォーター"で調乳するお母さんが現れました。一口にミネラルウォーターと言っても、水割り用にミネラルを強化したものから、ただの湧き水といったものまで千差万別です。過去には、"調乳用"とうたっているにもかかわらずミネラル含量の極めて高いものがありました。コナミルクのミネラル量は、水道水あるいは一般的な井戸水程度の硬度のもので調乳されることを想定し調製されています。どうしても容器入り飲料水を購入してコナミルクを溶かすという場合には、表示されているミネラル量の数値を比較して、是非"ミネラルの多くない"ごく"自然の水" を選んで下さい。さもないと、せっかくの脱塩の努力が無駄になってしまいます。
浄水場から放射性物質 東京23区などで乳児の摂取自粛を要請
2011.3.23 16:30 産経ニュース
東京都は23日、都水道局の金町浄水場(葛飾区)で、水道水1キログラムあたり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことを明らかにした。都では、食品衛生法で定めた1歳未満の乳児の暫定基準値(100ベクレル)を超えているとして、乳児が飲むのを控えるよう求めた。乳児以外の基準値(300ベクレル)は下回っている。
都によると、乳児に限り水道水の摂取を控える地域は、金町浄水場の給水範囲となる東京23区、武蔵野市、町田市、多摩市、稲城市、三鷹市。
都では22日午前9時に3カ所の浄水場で検査を実施。小作浄水場(羽村市)で32ベクレル、朝霞浄水場(埼玉県朝霞市)では検出されなかった。金町浄水場では23日午前9時の採取でも水道水1キログラムあたり190ベクレル(速報値)を検出した。
都では、「基準は長期に水を摂取した場合の健康への影響を考慮して設定されたもので、代わりとなる飲用水がない場合は水を飲んでも健康に影響はない」としている。
都は、乳児の基準超の場合は水道水で粉ミルクを溶いたり、離乳食へ使用したりするのを控えるよう要請した。乳児がいる保育園や各種施設にも通知した。
石原慎太郎知事はこの日の記者会見で、「検出された数値は暫定基準値を下回り健康に影響はなく、生活用水として使う分にも問題はない。測定値の発表に応じ水の使い方を冷静に行ってほしい」と話した。
これまで、福島県内でも、水道水から100ベクレルを超えるヨウ素が検出され、飯館村では20日に965ベクレルが出ていた。
コメント:
東京では、ミネラルウォーター、ペットボトルが売り切れたようです。
調乳や食器の洗浄、離乳食など、0歳児に優先的に安全な水が確保されることを祈ります。
水道、電気、公共交通網や流通の復旧が進めばいいですね。
穂高ハートクリニック
診療科目:内科、外科、小児科
診察内容:
心臓血管病、ワーファリンケア、
生活習慣病、メタボリックシンドローム
(高血圧,高脂血症,糖尿病,高尿酸血症)
特定検診
予防接種
このブログでは、医院からのお知らせや院長のコラムなどをお届けします。