6月、7月と、ここ最近、急性期の小児科・内科疾患として夏風邪がはやり始めました。
→長野県感染症情報
幼稚園、保育園、小学校の小児患者で、発熱や発疹を主訴で来院。
感冒
急性上気道炎
急性咽頭喉頭炎
急性気管支炎
と診断される場合が多いのですが、
結膜、咽頭、口蓋、舌、体の発疹の所見や、リンパ節の腫脹、熱型などから、
溶連菌、アデノウイルス迅速検査キットで、陽性となる方が増加してきました。
溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌)
咽頭結膜熱(プール熱、アデノウイルス)
ヘルパンギーナ (エンテロウイルス、A群コクサッキーウイルス)
手足口病 (エンテロウイルス、A群コクサッキーウイルス)
が増加しています。
溶連菌感染症は、合併症(腎炎、心内膜炎、髄膜炎)を抑えるために、抗菌剤をしっかりと内服する必要があります。
また、アデノウイルスによる、流行性角結膜炎は感染力が非常に強く、家族でもタオルを分けて使うなど、注意が必要です。
ヘルパンギーナ、手足口病の治療・予防
通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもある。時には脱水に対する治療が必要なこともあります。
特異的な予防法はありませんが、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどです。
主症状から回復した後も、ウイルスは長期にわたって便から排泄されることがあるので、急性期のみの登校登園停止による学校・幼稚園・保育園などでの厳密な流行阻止効果は期待ができません。
ヘルパンギーナの大部分は軽症疾患であり、登校登園については手足口病と同様、流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって判断すべきであると考えられています。
風邪は万病のもと!!
夏風邪と侮らず、しっかりと治療を開始しましょう。
参考:感染症の話(感染症情報センター)