インフルエンザ脳症で7歳死亡…滋賀県
(2009年9月23日 読売新聞)
滋賀県は22日、新型インフルエンザに感染した同県守山市の小学1年の男児(7)が死亡したと発表した。死因はインフルエンザ脳症。
疑い例を含めた新型インフルエンザ感染患者の死者は18人目で、男児は最年少となる。
男児は以前から、数か月に1度、原因不明の発熱を起こす周期性発熱症候群の疑いがあると診断されていた。
県によると、男児は19日朝、38度台の発熱とせきの症状を訴え、夕方、県内の病院で解熱剤「アセトアミノフェン」などを処方された。20日になっても40度台の高熱が続き、自宅近くの診療所で、新型インフルエンザ陽性と判明した。
別の病院に入院し、タミフルの投与を受け、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を付けて治療が行われたが、意識障害などの症状が出るなど容体が悪化。その後、大津市の滋賀医科大付属病院に転院し治療を受けたが、21日夜、死亡した。
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インフル脳症 小児発症注意
滋賀県の男児(7)の死因となったインフルエンザ脳症は、季節性インフルエンザでも幼児を中心に発症し、死亡率は1割に上る。今後、新型インフルエンザに感染した幼児が増えれば、脳症による死亡者も増加する恐れがある。
インフルエンザ脳症は、ウイルスによって免疫系が過剰反応し、脳が腫れた状態になる病気。日本人など東アジア人に多く、1~6歳の小児が発症しやすい。
厚生労働省によると、今月15日までに新型インフルエンザでインフルエンザ脳症などの急性脳症と診断され、入院した人は20人。日本小児科学会は、発熱などインフルエンザの症状に加え、〈1〉呼びかけに答えないなど意識の低下〈2〉30分以上のけいれん発作〈3〉意味不明の言動――などが見られたら、速やかに医療機関を受診するよう呼びかけている。
同学会の横田俊平会長(横浜市立大教授)は「当面、対処法は早期のインフルエンザ治療薬投与しかない」と言う。効果の強い一部の解熱剤は症状を悪化させるため、解熱剤の使用は医師との相談が必要だ。
(2009年9月23日 読売新聞)