2009/05/16 20:20

国内初の感染者、神戸の高校生
TBSニュース


 海外渡航歴のない神戸市の男子高校生が、新型インフルエンザに感染していることが確認されました。空港などでの検疫以外で見つかった、国内初の感染者です。

 「国内で最初の新型インフルエンザ患者を確認しました」(舛添要一 厚労相)

 検疫以外で国内初めてとなる新型インフルエンザの感染者。その情報に揺れた未明の神戸市。

 「患者は神戸市在住の10代後半の男性」(神戸市 保健福祉局の会見)

 感染したのは、神戸市の県立神戸高校に通う17歳の男子生徒でした。

 その後、同じ高校に通う16歳の男子生徒と女子生徒が病院に運ばれました。感染が濃厚で、詳しい検査を受けています。

 17歳の男子生徒と16歳の女子生徒は12日に発熱し、現在は平熱。16歳の男子生徒は15日に39度台の発熱があり、3人とも専門の医療機関に入院中です。

 「発症している生徒は、海外渡航歴は家族を含めて(ない)」(生徒が通う神戸高校校長)

 3人はいずれも海外への渡航歴はなく、クラスも、所属するクラブも違い、普段の接点はないといいます。つまり、新型インフルエンザのウイルスが国内で人から人に広まった可能性があります。

 「11日、12日の段階からインフルエンザがあるということがありましたので、ただその段階で海外渡航歴がなかったので、おそらく季節性だろうと思ったんですが。少し予想しにくかったなと、私どもとしては思っております」(生徒が通う神戸高校校長)

 この高校では、今週に入ってから欠席する生徒が増え始め、これまでに17人が体調不良を訴えているといいます。

 神戸市では東灘区と灘区などの公立の幼稚園、小中学校を当面7日間、休校することを決めました。

 「症状がひどくなるようであれば、こちらにご相談いただければ」(神戸市発熱相談センター)

 電話の相次ぐ神戸市の発熱相談センター。

 「『発熱しているんだけども何をしておけばいいか?』という相談があります。全体で300件以上、相談があると思いますね」(神戸市発熱相談センター相談員)

 16日開催予定だった「神戸まつり」など、5つのイベントの中止も決定しました。

 政府は行動計画を第1段階の「海外発生期」から第2段階の「国内発生早期」に引き上げました。

 「感染がすでに広がっていると、じわじわと広がっている可能性も否定できないのではないか」(対策本部専門家諮問委員会 尾身茂 委員長)

 今後、感染者が通う学校とその地域の学校は、一斉休校となりますが、ウイルスが弱毒性なのを考慮し、企業の業務縮小や集会やイベントの自粛要請は行わないことになりました。

 一方、国土交通省は神戸空港に発着する航空会社やJR西日本などに対し、利用者にマスクの着用を呼びかけるよう要請する方針です。(16日17:08)