タミフル耐性ウイルス急増 今冬インフルの3分の1
2009年1月16日 22時18分
厚生労働省は16日、今冬流行しているインフルエンザのうち、2番目に多いAソ連型ウイルスで、治療薬タミフルが効かない耐性ウイルスが97%を占めたと発表した。インフルエンザ全体では3分の1強に当たる。
Aソ連型の耐性は昨冬も検出されたが2・6%と少なかった。急増の原因は不明だが、世界的にも問題になっている。厚労省によると、別の治療薬リレンザは有効で、ワクチンの効果にも問題はないとみられるという。
同省は医療機関に対し「流行状況や薬の効きに注意しながら、使用する薬剤を判断してほしい」と呼び掛けている。また研究班を設置し、耐性ウイルスの患者の症状に何らかの特徴があるかや、海外での広がりや対応について調査を始めた。
厚労省によると、今月8日までに11都道府県で35人分のAソ連型ウイルスを分析したところ、34検体(97%)がタミフル耐性だった。
今冬の流行ウイルスは今月中旬現在、A香港型が最多で45%、Aソ連型が36%、B型が19%。3分の1強にはタミフルが効かない計算になる。
Aソ連型のタミフル耐性は2007年11月以降、欧州などで報告が相次ぎ各地に広がった。欧州ではインフルエンザ治療にタミフルをほとんど使わないとされ、薬の使用と関係なくウイルス遺伝子が突然変異し耐性になったとの見方が強い。
(共同)