お年寄りと向き合うために……
皆さんは人と話をしようとするときに、どんなことを考えながら話しかけますか?人が話をするということは、何らかの意味があるから話をしようとするのではないかと思います。介護という仕事を行う職業の人や実際に在宅で介護されているご家族の方、介護というものに携わっていないとしてもお年寄りと接する機会のある方は、お年寄りとの会話の中でこんなことをよく耳にすると思います。
「もう死んでもいい…」
「あの世からいつお迎えが来てくれるのか…」
こんなことを言われて、私たちは当然「そうですね」などと声をかけることはできないので、「まだまだですよ」と声をかけます。これだけではただの表面上の会話に過ぎません。では「なぜこのようなことを言うのか?」と考えたとき、その会話の様々な意味が見えてきます。例えば上記のように話しかけられたとき、『死』というものの恐怖に対する心の防衛機制の一種で、その気持ちを発散することで自分の心の負担を軽くしようとしているのか、あるいは自分に注意を向けてほしいというサインなのか、それらではない他の意味があるのか、といったように様々なことが浮かびます。そう考えることで、表面上の会話だけではない、本当の意味での会話ができると思います。そしてそうやって深くまで考え、理解しようとすることがお年寄り一人ひとりに向き合うこと、その人を理解するということに繋がると思います。もちろんその気持ちを完璧に『理解すること』はできないかもしれません。しかしその気持ちを完璧に『理解しようとする』ことはできます。写真のひまわりのように、お年寄りという太陽を常に見続け、そのお年寄りを見続けるからこそ、そしてその気持ちを理解しようとするからこそ大きな美しい花へと成長する、そんな福祉ステーションひまわりに、そしてそんな一人の介護職になれればいいなぁと思います。
堀金 道の駅にて
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