◆サイストリー(その138)
今日は、金曜日です。
「いい」かげんのコーナーです。
●認知行動療法と薬物療法 4
たとえば、この章の第2節で少しお話しした神経ホルモンも、
脳内化学物質の一種ですが、非常に詳しくその作用がわかってきています。
さらには、その神経ホルモンの作用を阻害したり促進したりする薬物についての研究も進んでいます。
こうした研究の進歩から、強い不安に悩まされているときの抗不安薬、
うつ状態に陥ったときの抗うつ薬、神経が高ぶって眠れないときの睡眠薬など、
さまざまな薬物による治療が、安全でしかも確実に行えるようになりました。
日常生活に支障をきたすような症状でも、薬物療法でかなり軽減できます。
つまり、すぐに日常生活に復帰できるようになったわけです。
もちろん、薬物療法には、副作用もありますから、長期間にわたる服用は、
あまり望ましいものとは言えません。
しかし、ふつうに生活ができるようになることのメリットは、非常に大きいものがあります。
一度薬物で症状を軽減しておいて、日常生活を送りながら、
認知行動療法を行っていけば、やがては薬物療法を止めることができます。
非常に理想的な治療法だと言えるでしょう。
(つづく)
*参考文献
「サイストリー」 by 立花裕希
http://iyashi.find21.net/psystory/
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