今日は、金曜日です。
「いい」かげんのコーナーです。

●認知行動療法と薬物療法 1
 
認知行動療法について、簡単にお話ししておきましょう。

精神分析では、抑圧された記憶(=大脳辺縁系の記憶)を
意識化して真実の歴史を紡ぎあげるという作業が中心となっています。

ところが認知行動療法では、抑圧された記憶については、一切触れません。
初めから治療の対象とされていないのです。

認知行動療法で行う治療は、あくまで実際の行動と、
前頭前野を使った大脳辺縁系のコントロールです。

たとえば、この章の第1節で「人前で話すときに強い不安に襲われてしまう人が、
その不安を押し切って何度もチャレンジしていくうちには話せるようになる」
という例を挙げましたが、認知行動療法とは、
まさにこのような方法論に基づいています。

人前で話すときに強い不安に襲われるというような状態が高じて、
人前で話すこと自体に恐怖を感じるようになってしまうことがあります。

こうした症状を、スピーチ恐怖症またはスピーチ・フライトなどと呼びます。



(つづく)


*参考文献
「サイストリー」 by 立花裕希 
http://iyashi.find21.net/psystory/


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