今日は、金曜日です。
「いい」かげんのコーナーです。
●歴史は存在の根拠 2
こうしてできあがった歴史が、王国の歴史です。
これがないと、王も国民も、
自分たちの存在の確かな根拠が得られません。
つまり、王国の歴史ができあがって初めて、
王も国民も、自分たちの存在がなんであるのか、
証明することができるのです。
このように、歴史というのは、存在の根拠でもあるわけです。
それは個人の場合でも同様です。
たとえば外国へ出かけると、必ずパスポートの携帯を義務づけられます。
これは、その人の国籍を証明するためのものですが、
国籍というのは、その人の存在の証明でもあり、歴史の証明でもあるわけです。
もしこの歴史を失ってしまったらどうなるでしょう。
記憶喪失という病気がありますが、
これがまさに歴史を失ってしまった状態だと言えるでしょう。