今日は、金曜日です。
「いい」かげんのコーナーです。
●空白の時間と偽りの歴史 2
たとえば、ある青年が、胸がうずくような気持ちとともに、小学生の頃、
近所に大好きだった親戚の女子高生がいたことを思い出したとします。
懐かしさも手伝って、記憶の糸をたどっていくと、その女子高生には兄弟がなく、
青年を本当の弟のようにかわいがってくれたことが思い浮かんできます。
当時の青年にとって、その女子高生は、両親よりも大切な存在でした。
青年は、少しでも長く一緒にいたいため、毎週のように遊びに行っていました。
二人で楽しげに遊ぶシーンが、いくつも浮かんできます。
そして、いつの頃からか、全然遊びに行かなくなったことが思い出されてきます。
しかし、その理由については、まったく思い出せません。
それでも、記憶の糸をたぐり続けていると、ふっとなにかを思い出しかけます。
ところが、なぜか苦しくなってきて、中断してしまいます。
なにかの抑圧がある証拠です。
こんな場合、前頭前野は、首尾一貫した思考ができないため、
ずいぶんじれったく感じるでしょう。
そして、その頃のほかの記憶を思い出したり、
いろいろと思考を働かせたりし始めます。
(つづく)
*参考文献
「サイストリー」 by 立花裕希
http://iyashi.find21.net/psystory/
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