すばらしい人間部品産業 アンドリュー・キンブレル (著), 福岡 伸一 (翻訳)

今日は、水曜日です。
「本」当におすすめの、コーナーです。




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450ページ近くある、ノンフィクションで、
びっしりと文章の詰まった本書なので、
年末年始の長い時間をかけて読みました。

そもそもの動機は、福岡ハカセの本で取り上げられ、
福岡ハカセが初めて訳をやった本だったからです。

本書では人間パーツ商品化の現在として、
臓器から始まり、胎児、受精卵、卵子・精子、遺伝子まで、
利益と特許を巡り、繰り広げられる産業構造が記されています。

ノンフィクションなので、その生々しい現場の姿は、
目を覆いたくなるような現実もありました。

そしてそれだけでなく、文化史的にどうして商品化することになったか、
その背景を探っていきます。

人は神から与えられた大地、時間などを分断し、
その対価を求めるようになっていきます。

特に時間の分断は、「脳死」という勝手な尺度も作ります。
その動機は、新鮮な臓器を取り出すためです。
その対峙する「脳始」も同じロジックてつくりだします
もちろん再生医療の細胞を手にいれるためです。

著者はこのどんどんエスカレートする人間部品産業の行く末を、
危惧懸念をもって予言していきますが、初版の出た1993年から、
約20年経過し、予言通りの道を進みます。

そのため2011年に加筆、改訂版の発行の運びとなりました。

福岡ハカセが「動的平衡」の思想体系を確立するための、
原著になった本というのが、ここでの問題提起にあるというのが、
よくよくわかる本なのです。

福岡ハカセ・ファンの方は必読の書ともいえます。

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