今日は、火曜日です。
「経営ノート」のコーナーです。


テーマ:公益資本主義と格差社会

◆企業経営の本質は人にある。
人に始まり、人に終わるといわれている。

そこで働く人や業容が変わろうとも、
企業そのものは永遠の命を保ち、拡大生産を続け、
社会の公器として多様な役割を果たしていかねばならない。

◆1960年代からの米ソの緊張緩和は、
民主主義と市場経済社会をもたらした。
また自由放任的な感情と新自由主義が、
相互の影響を与えてきた。

資本主義から派生した株主資本主義は、
あらゆる国に格差社会を生み続け、
70年代の米国ではその萌芽があった。

2008年のリーマンショック時に露見したのは、
米5大投資銀行のCEOの年間所得は、
120億円であったことであった。

◆こうしたなか多くの企業経営者が、
バランスの取れた利益配分を考慮する、
公益資本主義的な発想が重要だと認識し始めている。

健全な厚い中間層の定着は安心安全な社会の柱石であり、
企業が拡大再生産する上で不可欠なインフラである。

◆実践困難なことは百も承知だが、
19世紀、英国の社会・歴史学者、
トーマス・カーライルの提唱した、

「経営騎士道論は、営利至上主義の悪弊を排し、
 人間相互の精神的な絆に基づく人間愛が、
 企業経営に求められる姿勢である」

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【私見】

東日本大震災から1年くらい前までは、
人間のこころのありかた、絆、
そして原発に対する考え方に、いままでとは違う、
将来への人間愛を見つめなおす動きだったように思います。

しかし、喉元すぎればじゃないですが、
「経済成長」の大義名分のもと、
いま原発反対を声高に叫ぶこと自体、
怪訝な顔で見られるような雰囲気になってきました。

格差社会の件もそうですが、社会全体が後退局面を迎えると、
人のことなど、かまってられないという風潮にも拍車がかかり、
いっそう格差が広がってくるのではないでしょうか。

全員横並びでとは言いませんが、
自己利益の追求だけではなく、
公益を常に頭の片隅に置いておくことが、
よりよい経済を作ることだと思います。

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