今日は、金曜日です。
「いい」かげんのコーナーです。


●脳科学から見た抑圧と葛藤の仕組み 3

もし、そうした情報のなかに、
たまたま大脳辺縁系の記憶の内容と同じような情報があった場合、
どんなことが起こるでしょうか。

先ほどの水難事故の例で、
その記憶が抑圧されていて思い出せない場合を考えてみましょう。

たとえば、近くで波の音が聞こえたとします。
すると大脳辺縁系は、水難事故に遭ったときと同じような危機的状況だと判断し、
その記憶と結びついている「恐ろしい、痛い、苦しい」という情動の発生処理をします。

それでも、波の音だけであれば、そんなに強い情動にはなりません。
突然嫌な気分に襲われたといった程度で済むでしょう。

このように、大脳辺縁系が過去の危機的状況の記憶から判断して情動発生処理をした場合が、
精神分析でいう葛藤に当たるでしょう。


(つづく)


*参考文献
「サイストリー」 by 立花裕希 
http://yukitachi.cool.ne.jp/psystory/


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