今日は、火曜日です。
「経営ノート」のコーナーです。


2006年11月22日に行われた、
渡邉美樹社長の講演会をまとめたものです。
みなさんのお役にたてれば、幸いです。


13.カンボジアの子どもたち

SAJを通じて、カンボジア・ネパールに70校学校をつくり、
いまでは3万人の子どもたちが通っています。
私も毎年1回、カンボジアに行って学校を訪問しています。

これは、ボランティアのように思われていますが、
実は、ギブ・アンド・テイクの関係です。
カンボジアに行く度に、彼らから教わることばかりです。
カンボジアでは、子どもたちの家庭訪問もさせていただいています。

今年訪れた家は、6畳程度の1部屋だけの高床式の家です。
そこに3世代家族8人が暮らしています。
その8人は朝から一日中働きづめです。
(電気はないため、夜は早いですが)火を起こすだけでも一苦労です。

そうした貧しい中でも、皆がふれあいながら、
仲良く暮らし、そして、とても幸せそうです。
貧しいということは、不便なことではあるけど、不幸なことではありません。

カンボジアの学校では、給食を始めました。
何日もご飯を食べてない人もいて、授業になりません。
そのため、朝食を出すことにしたのです。

朝食といっても、先ほどご覧いただいたビデオのように、
ご飯(100g)に魚の缶詰でつくったカレーのようなものを掛けただけのものです。
それを、美味しそうに食べてくれます。
給食は、日本と同じように、仲良しグループでいっしょに食べているようです。

そのなかに、1人はまったく食べない、まわりの子たちも、
半分くらいしか食べていないという女の子たちのグループがありました。
そして、給食時間が終わると、その余った分を集めて、
まったく食べなかった子は、そのまま走って帰りました。

後から話しを聞くと、その走った子は親が病気で仕事がなく、
その集めた給食を、家族で分け合って食べているということでした。
そのときのまわり子どもたちが、
その子に余らした給食をあげる姿に感動しました。
とても自然で、当たり前のことをしているようだったからです。

どんなに物が無くても、分け合えば余ります。
どんなに物に溢れていても、奪い合えば足りなくなります。
そのことを彼女たちは知っていたのです。

(つづく)

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