映画批評♯15・「ロング・エンゲージメント」


今日は、木曜日です。
「つれづれに」のコーナーです。



「アメリ」を観て、オドレイ・トトゥにノックアウトされました。
この映画「アメリ」の制作スタッフが再結集したわけです。
やはり見ないわけにいかないのです。

ジュネ監督は、もともとこの映画を撮りたかったそうです。
「エイリアン4」の成功で得た資金と資金調達力で、
その壮大な構想が実現しました。

壮大な構想っていってもハリウッド仕込みではなく、
フランスのエスプリです。
ちょっと違いますよ。

醸し出す空気感、アンニュイな空気もあります。
また第一次世界大戦の時代の空気も存分に表現してます。

そこにオドレイ・トトゥが演じる役の設定がたまりません。
5歳の小児麻痺になり、片足が不自由で、おまじないを信じる子。
その子が10歳の時にマネクという男の子と知り合い、
彼が彼女にとって白馬の王子となるのですよ。

それが召集令状で戦争に駆り出される。
彼を送り出すその日、彼女はおまじないをする。

「もし車が来るより早くあの曲がり角までたどり着けば、
マネクは無事に帰ってくる」

そのとき角までたどり着くのです。
しかし、彼が戦死したと・・・

彼女は信じられないのです。
なぜなら、「彼に何かあれば、私には分かるはず」という、
自分の直感を信じているから。

そしてその直感が証言を呼び、
証言が奇跡を呼ぶという展開に。

また見落としてはならないポイントとして、
ここにジュネ監督なりきの、反戦メッセージがあります。
フランス人にとってのパンドラの箱である、
第一次世界大戦というだれも語りたがらない真実も伝えていきます。

でも、いいのです。理屈は。
オドレイ・トトゥが相変わらず魅力的だから。


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