映画批評♯14・「テイキング・ライブス」
今日は、木曜日です。
「つれづれに」のコーナーです。
タイトルの「テイキング・ライブス」とは、
「人生そのものを乗っ取ること」という意味だ。
なんとも空恐ろしいタイトルであるが、
登場する犯人を端的に象徴している。
猟奇殺人であり、連続殺人犯である。
そしてその犯人は、まさに相手になりすますのである。
それも過度の集中力をもって、獲物を観察し、
自分がその人物になりすませると判断すると、
殺してしまうのだ。
しかし、なりすますことに飽きてしまうと、
次に獲物を探しにいく。
飽きる前に、あえて死体を発見できるように仕掛けておき、
次の殺人の動機付けにしようとしているような気配もある。
そして彼の深層心理の中には、
子どものころ母親に愛されなかったという、
トラウマが起因していると思われる。
そしてそんなサイコパスを追うのが、
アンジェリーナ・ジョリー扮する、
イリアナ・スコットというFBIプロファイラ―である。
イリアナは頭脳型の捜査官というより、
犯人の心理を受けとめる感受性型の捜査官なのである。
死体の写真を観ながら食事までできてしまう場面は、
まさに犯人に同化している証拠である。
またときには死体のあった場所に寝転がってみるのである。
しかしあろうことか、イリアナは犯人と恋に落ちていく。
プロファイラ―も、やはり人の子ともいえるが、
そうではなく、感受性が同化に至ったということであろうか。
またキファー・サザーランドを起用し、
謎の男という設定もなかなか凝っている。
最後の最後まで、どんでん返しの連続であり、
ただただハラハラするのではなく、
犯人と捜査官の心理の理路を、ついつい考えたくなる作品なのだ。
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